柳一鎬

柳一鎬（ユ・イルホ）：韓国の政治・経済を支えた重鎮

柳一鎬（ユ・イルホ、유일호）氏は、1955年3月30日生まれの韓国の政治家、経済学者です。彼は、韓国の政界・経済界で重要な役割を果たし、国務総理権限代行、経済副首相、国土交通部長官、企画財政部長官（財務大臣に相当）など、数々の要職を歴任しました。また、大学教授として研究・教育活動にも携わり、多くの人材を育成しました。

生い立ちと学歴

柳氏は、ソウルで生まれ、慶北小学校、京畿高等学校を経て、ソウル大学校経済学科を卒業しました。その後、ペンシルベニア大学大学院で経済学博士号を取得し、1987年からクリーブランド州立大学で客員教授を務めました。1989年には韓国開発研究院（KDI）の研究員となり、経済学者としてのキャリアをスタートさせました。2002年からはKDI国際政策大学院教授として教鞭を執りました。

政界入り

柳氏の政治家としてのキャリアは、2008年の第18代総選挙でハンナラ党から出馬し当選したことから始まりました。党内では、内部代表、広報担当、政策委員会首席副議長、議長などの要職を歴任しました。2012年には、大統領就任を控えた朴槿恵氏から秘書室長に指名されました。

2015年には、国土交通部長官に就任しましたが、翌年には企画財政部長官に転任し、同時に経済副首相を兼任することになりました。この人事については、野党から「リサイクル人事」「回転ドア人事」と批判されることもありました。

経済副首相としての活動

経済副首相として、柳氏は日韓間の通貨スワップ協定の再開に尽力しました。2016年には日本との財務対話において、スワップ再開に向けた議論を開始することで合意しました。しかし、朴槿恵大統領の国政介入疑惑が発覚し、政権が混乱すると、スワップ再開交渉も停滞しました。最終的に、日韓関係が悪化したこともあり、スワップ再開は見送られることになりました。

また、柳氏は経済活性化法案の成立など、労働改革にも取り組みましたが、朴槿恵政権下では実現に至りませんでした。

国務総理権限代行

2017年3月に朴槿恵大統領が罷免されると、黄教安国務総理が暫定政権を担い、柳氏は経済副首相として政権を支えました。その後、5月には黄教安国務総理が辞意を表明し、後任の国務総理が任命されるまで、柳氏が国務総理権限代行を務めました。

その後

2020年には、国民の力のソウル市長と釜山市長補欠選挙対策委員長に内定されましたが、3日後に撤回されました。

人物像とエピソード

柳氏は、代表的な親朴（槿恵）系の政治家として知られています。また、1996年に親戚の事業失敗により巨額の借金を背負い、2003年には自宅が競売にかけられるという苦難も経験しています。



柳一鎬氏は、政治家、経済学者、大学教授として、韓国の発展に大きく貢献しました。彼の経験と知識は、今後の韓国社会にとっても貴重な財産となるでしょう。

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