柳井市古市金屋伝統的建造物群保存地区

山口県柳井市古市金屋伝統的建造物群保存地区は、瀬戸内海の要衝として栄えた柳井川沿いに位置し、その歴史的な景観から国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。約1.7ヘクタールの地区内には、江戸時代中期から明治初期にかけて建てられた伝統的な建造物が立ち並び、当時の繁栄を今に伝えています。

柳井津の中心、古市金屋

柳井川は物資輸送の動脈として機能し、柳井津はその中心として発展しました。古市金屋は柳井津の主要な通りであり、本町通り沿いには、商家を中心とした伝統的な建物が軒を連ねています。これらの建物は、妻入り本瓦葺の二階建てで、漆喰壁の白壁が特徴です。白壁に施された陰影は、重厚感と美しい景観を生み出しています。

金魚ちょうちんと白壁の街並み

柳井市の伝統工芸品である金魚ちょうちんは、この地区の商人、熊谷林三郎によって考案されました。毎年8月には「柳井金魚ちょうちん祭り」が開催され、白壁の街並みが金魚ちょうちんで彩られます。祭りの期間中、古市金屋は幻想的な雰囲気に包まれ、多くの観光客で賑わいます。

主な建造物と施設

地区内には、歴史的な建造物や資料館などが点在し、当時の生活や文化に触れることができます。

白壁ふれあい広場: 休憩やイベントスペースとして利用されています。
国森家住宅: 江戸時代の商家建築を見学できます。
甘露醤油資料館（佐川醤油店）: 醤油の歴史や製造工程を学べます。
柳井市町並み資料館: 柳井の歴史や文化に関する資料を展示しています。
湘江庵: 趣のある茶室です。
むろやの園: 歴史的な庭園を散策できます。
やない西蔵: ギャラリーやショップが入っています。
しらかべ学遊館: 地域の文化や歴史を学べる施設です。
古市金屋線まちかど広場: 地域の交流拠点として利用されています。手づくり郷土賞を受賞。

アクセス

JR柳井駅から徒歩約10分
山陽自動車道玖珂ICから車で約20分
山陽自動車道熊毛ICから車で約25分

周辺情報

やまぐちフラワーランド: 色とりどりの花々が咲き誇る植物園です。
余田臥龍梅: 国の天然記念物に指定されている梅の古木です。
柳井茶臼山古墳: 古代の古墳を見学できます。
ふれあいどころ473: 地元の特産品を販売しています。
大畠瀬戸: 瀬戸内海の美しい景色を楽しめます。
平郡島: 自然豊かな島で、海水浴や釣りを楽しめます。

花実のない森

松本清張の長編推理小説「花実のない森」では、物語の後半でこの地区が舞台となっています。

古市金屋伝統的建造物群保存地区は、歴史的な景観を preservation しながら、地域住民の生活と文化が息づく場所です。訪れる人々は、白壁の美しい街並みを散策し、歴史と文化に触れ、心豊かな時間を過ごすことができるでしょう。

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