柳井重人

柳井 重人（やない しげと）は、日本の著名な園芸学および造園学の研究者です。特に緑地環境学、環境造園学、緑地環境管理学といった分野を専門としています。

山口県岩国市に生まれた柳井氏は、学業を千葉大学で修めました。1988年に千葉大学園芸学部環境緑地学科を卒業後、同大学大学院園芸学研究科に進学し、1990年に修士課程を修了。その後、1992年から千葉大学園芸学部に勤務し、助手、専任講師、助教授、准教授を経て、2021年度からは千葉大学大学院園芸学研究院の教授として、園芸環境科学講座に所属しています。研究活動の傍ら、1997年には千葉大学より博士（農学）の学位を取得しています。

教育・研究活動に加え、柳井氏は実務家としても多岐にわたる活動を展開しています。日本造園学会会長をはじめ、環境情報科学センターや日本都市計画学会など、様々な学術団体や関連機関で要職を歴任。また、国や地方自治体における計画策定にも深く関与しており、緑の基本計画、環境基本計画、都市マスタープランなどの専門委員を数多く務めています。

都市公園や緑地の分野では、計画・整備から管理運営、指定管理、さらには緑地の評価に至るまで、幅広い専門知識と経験を活かしています。これらの公共空間だけでなく、民間の緑地保全や緑化推進、さらには地域住民や企業、行政が連携するパートナーシップに基づく緑とオープンスペースの再生・活用にも積極的に参画しています。

市民活動への貢献も特筆すべき点です。緑に関する市民活動へのアドバイザーを務めたり、一般向けの市民講座で講師を務めたりするなど、専門知識の社会還元にも努めています。こうした一連の活動を通して、持続可能な地域社会の実現や人々の暮らしの質の向上を目指し、ランドスケープ・マネジメントに関する理論を深化させつつ、その実践にも力を注いでいます。

長年の功績に対し、数々の賞を受賞しています。

環境情報科学センター 環境情報科学センター 特別賞（『環境都市計画事典』に対して）
柏市 市政功労者表彰 (市政施行60周年記念)
(一財)公園財団 公園・夢プラン大賞2014 実現させた夢部門 最優秀賞
東京都北区 区政功労者表彰 (自治振興功労)
国土交通省 第27回「みどりの愛護」功労者 国土交通大臣表彰
松戸市 自治功労表彰 (市政施行75周年記念)

著書も多数あり、多くが共著として出版されています。『造園実務必携』、『ランドスケープ計画・設計論』、『まちづくり用語事典』、『環境都市計画事典』、『海辺の環境学』など、専門分野に関する重要な書籍に貢献しています。

柳井重人研究室のウェブサイトでは、その活動や研究内容の一部を知ることができます。

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