柳俊夫

柳俊夫（やなぎ としお）

柳俊夫は、1949年生まれの日本の検察官です。公安調査庁長官や大阪高等検察庁検事長などの要職を歴任し、日本の公安・検察行政に大きく貢献しました。

経歴

東京都出身。桐朋中学・高等学校を経て、1972年に一橋大学法学部を卒業。中学・高校時代は柔道部に所属していました。司法修習を経て、1974年に検事に任官されました。

法務省公安課長、公安調査庁次長などを経て、2006年に公安調査庁長官に就任。2009年には高松高等検察庁検事長、2010年には大阪高等検察庁検事長に就任しました。2012年に定年退官。

2020年には、長年の功績が認められ瑞宝重光章を受章しています。

略歴

1949年 - 東京都生まれ
1968年 - 桐朋高等学校卒業
1972年 - 一橋大学法学部卒業
1974年 - 検事任官
1996年 - 法務省刑事局公安課長
1998年 - 法務総合研究所研修第一部長
2000年 - 最高検察庁検事
2001年 - 青森地方検察庁検事正
2002年 - 名古屋高等検察庁次席検事
2003年 - 公安調査庁次長
2005年 - さいたま地方検察庁検事正
2006年 - 公安調査庁長官
2009年 - 高松高等検察庁検事長
2010年 - 大阪高等検察庁検事長
2012年 - 定年退官

人物・エピソード

柳俊夫は、公安調査庁長官時代に、オウム真理教（Aleph及びひかりの輪）について、依然として元代表の麻原彰晃の影響下にあり、危険な本質に変わりがないとして、団体規制法に基づく観察処分の更新を公安審査委員会に申請しました。この件では、社会の安全を守るという強い意志を示しました。

大阪高等検察庁検事長時代には、障害者団体向け割引郵便制度悪用事件に関連し、大阪地方検察庁の検事が証拠改竄を行っていたとされる事件で、最高検察庁の捜査に協力する姿勢を表明。また、大阪地検特捜部の検事が逮捕された際には、会見を開き陳謝するなど、組織の不祥事に対して誠実に対応しました。

著作

柳俊夫は、検察官としての実務経験に基づき、数多くの論文や著作を発表しています。主な著作は以下の通りです。

「随想 青森地検における広報プログラムと被害者支援員制度」
「判例研究 銃砲刀剣類所持等取締法3条の13の発射罪の成否」
「職業安定法63条2号にいう「労働者の募集」の意義等（大阪高裁判決平成3.5.9）」
「凶悪重大事犯の実態及び量刑に関する研究」（共著）
「来日外国人による傷害事犯の処理・科刑に関する研究」（共著）
「物事犯の実態及び量刑に関する研究」（共著）
「外国人犯罪と刑事処分」
* 「経営刑事法シリーズ」

これらの著作は、刑事法や犯罪学の研究に貢献しており、実務家にとっても貴重な情報源となっています。

柳俊夫は、検察官として長年にわたり、日本の司法に貢献しました。その功績は大きく、後世に語り継がれることでしょう。

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