柳川明子

柳川 明子（やながわ あきこ）

1984年（昭和59年）9月3日生まれ。富山県を主な活動拠点とする放送局、北日本放送（KNB）に所属する女性アナウンサーである。

彼女は富山県新湊市（現在の射水市新湊地域）でこの世に生を受け、その後の幼少期および学生時代は富山市呉羽町で過ごした、生粋の富山県育ちである。地元の放送局で活躍する基盤は、こうした背景にあると言えるだろう。

学業においては、首都圏にある東京学芸大学に進学し、卒業。大学で培った知性とコミュニケーション能力を活かすべく、地元富山に戻り、2007年（平成19年）に北日本放送の門を叩き、アナウンサーとしてのキャリアをスタートさせた。この時、同じくKNBにアナウンサーとして入社した同期には、後に同局で活躍した柴田泰佳氏、そして松平寛未氏（いずれも現在はKNBを離れている）がいた。

北日本放送に入社して以来、柳川明子アナウンサーは、テレビとラジオ双方の多岐にわたる番組において、非常に幅広いジャンルで活躍を見せている。硬派な報道番組でのニュースキャスターやリポーターから、地域の情報を伝える情報ワイド番組の進行役、さらにはラジオ番組のパーソナリティ、ドキュメンタリーや紀行番組のナレーターまで、多岐にわたる役割をこなしている。

特に、夕方の看板番組「いっちゃん☆KNB」シリーズにおける彼女の存在感は大きい。同番組の第一部については、二度の期間にわたってメインの担当者の一員を務めた。一度目は2018年4月5日から2019年3月29日まで、そして二度目は一度目の担当終了から約2年のブランクを経て、2021年4月1日から2023年3月31日までの期間、主に木曜日と金曜日の放送を進行した。

また、「いっちゃん☆KNB」のニュースパートである第三部、通称「KNB news every.」においても、番組の主要な顔として活躍した時期がある。番組がスタートした当初の2010年3月29日から2012年3月30日までの約2年間は、富山県内の様々な現場からニュースや出来事を伝えるフィールドキャスターとして、機動力のある取材・リポートを展開。その後、2012年4月2日からは2013年12月27日まで、平日版のメインキャスターとして、その日の重要なニュースや県内の情報を落ち着いた語り口で視聴者に届けた。

これらの主要な番組以外にも、KNBのアナウンサーとして様々な番組に携わっている。過去には、日本テレビ系列で全国に放送されていた早朝の情報番組「ズームイン!!SUPER」において、富山担当のリポーターを務め、全国の視聴者に富山の話題を紹介した経験も持っている。

情感豊かなナレーションも得意とし、富山県の美しい風景や旬の情景を描くミニ番組「ハイビジョンスケッチ〜旬景とやま〜」ではナレーターを務めた。

ラジオパーソナリティとしても多くのリスナーに親しまれている。平日の朝に放送されている人気のワイド番組「とれたてワイド朝生！」では、木曜日と金曜日のパーソナリティとして、リスナーからのメッセージや情報に寄り添いながら、明るく軽快なトークを展開した。また、土曜日の長時間生放送番組として知られる「高原兄の5時間耐久ラジオ 長て長てこたえられんが」にもパーソナリティとして出演し、その飾らない人柄で人気を博した。さらに、午後の情報番組「でるラジ」では、水曜日の担当として、富山県内の様々な場所からの中継リポートを担当し、現場の臨場感を伝えている。

この他にも、日々の県内ニュースを正確に伝える「KNBニュース」や、メロディーのみで歌謡曲を味わうことができる伝統的な番組「歌のない歌謡曲」、地域に根差した生活情報を提供する「とやま情報局」、そして朝の始まりを告げる帯番組「KNBモーニングすくらんぶる」（金曜日担当）など、多岐にわたるテレビ・ラジオ番組でその声や姿を見ることができる。

私生活においては、結婚を経て、現在は二人の子供の母親でもある。仕事と子育ての両立という現代的なテーマにも向き合っており、第一子の出産に伴い、2014年1月から産前産後休業および育児休業を取得した。一度アナウンサーとして職場に復帰した後、間もなく第二子の出産を迎えることとなり、2015年12月からも再び産休・育休に入った。二度の育児休業期間を経て、2016年12月にアナウンサーとしての仕事に本格的に復帰を果たし、現在に至っている。働く母親としての視点や経験も、彼女のアナウンサーとしての表現力や深みに繋がっていると言えるだろう。

二度の出産と育児によるキャリアの中断期間を乗り越え、第一線のアナウンサーとして活躍を続けているその姿は、富山県で働く多くの女性や、仕事と家庭の両立を目指す人々にとって、共感を呼び、示唆を与えるものである。地域に密着した放送局のアナウンサーとして、富山の視聴者やリスナーに寄り添い、その信頼に応えるべく、今日も放送を通じて情報を届け続けている。長年にわたる豊富な経験と、親しみやすく温かみのある人柄で、北日本放送の重要な一員としてその役割を果たし続けている。

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