柳心介冑流

柳心介冑流について

柳心介冑流（りゅうしんかっちゅうりゅう）は、江戸時代から続く躰術の流派であり、明治以降は北海道の伊達市にて伝承されています。この流派は、1984年に北海道伊達市の無形民俗文化財にも指定されるなど、その重要性が認められています。

歴史的背景

柳心介冑流の根幹を成すのは、天神真楊流柔術の開祖である磯又右衛門柳関斎源正足です。彼の教えを受けた富山登が、故郷の仙台藩亘理に戻った後、一丸派一刀流の師範である一丸竜之助から直接伝授を受けることによって、この流派が確立されました。このように流派が発展し、さらに一丸家に伝わる天辰一刀流とも結びつきながら、今日の様な形になっています。

五代目の小熊良語は、明治4年（1871年）に伊達市に開拓団の一員として到着し、その地で柳心介冑流を広めました。この地域で柔術の稽古場を開設し、おおよそ400名以上の門弟を育成するという成果を上げました。

戦後の復興と近年の状況

しかし、第二次世界大戦後は約40年ほど活動が休止される事態となりました。昭和55年（1980年）には第八代小熊良雄と高弟たちによって保存会が結成され、再活動が開始されます。そして1984年3月10日には伊達市の無形民俗文化財に指定され、その文化的価値が再確認されました。

残念ながら、近年は高齢化や後継者不足のために、2019年からは活動を一時休止しています。

技法と内容

柳心介冑流の技法は、初伝、中伝、奥伝の三つに分かれており、合計38項目で構成されています。技の数は、右・左それぞれにおいて67本を数え、特に奥伝を習得した者には整骨の秘術が伝授されることが特徴です。技の内容は、元となった天神真楊流から変容し、独自の体系が築かれています。

技法は主に投げ技、間接技、さらには当身技を中心に構成されており、防御的な護身術も多く含まれています。以下はその具体例です：

• - 初伝（8項目、14本）：座技に特化。

- 片手捕、諸手捕、小手返、腕緘などが含まれる。

• - 中伝（12項目、18本）：立技が中心。

- 朽木倒、水月、捨身など、多様な技が揃っています。

• - 奥伝（18項目、35本）：高度な立技や居技。

- 腹落、足投、横車、背負投など、複雑な技が多い。

系譜と後継

柳心介冑流における系譜は、次のように続いています：

• - 遠祖：磯又右衛門柳関斎源正足
• - 二代目：富山 登
• - 三代目：一丸竜之助
• - ...（省略）

この流派は、現代においても古武道の一環として尊重されており、文化的な重要性を持っています。

参考文献

以下は柳心介冑流に関する参考文献です：

• - 『日本古武道総覧』日本古武道協会
• - 『日本の古武道 柳心介冑流柔術 [DVD]』 小熊義顕（出演）

ぜひ、柳心介冑流の深い歴史と技法を知り、興味を持ってみてください。

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