柳永二郎

栄誉と復帰

1966年には紫綬褒章を受章し、1970年には勲四等旭日小綬章が贈られました。1973年、当時新派のベテラン俳優が相次いで亡くなり、若手の育成が難航している中、新派関係者からの懇願を受けて、約30年ぶりに新派に復帰しました。1978年には『婦系図、湯島天神の場』において、82歳で早瀬主税を演じ、観客の期待を超えて堂々とした演技を披露しました。彼の最後の舞台は1982年の『女優』です。

柳永二郎は1984年4月24日に急性心不全で亡くなりました。享年88。彼の生涯にわたる演劇への情熱や貢献は、近代演劇史において重要な文献として残ることとなりました。

主な出演作品

映画

• - 晴小袖（1940年、新興キネマ）役: 泉屋喜兵衛
• - 歌行燈（1943年、東宝）役: 次郎蔵
• - 五重塔（1944年、大映）役: 大工源太
• - 名刀美女丸（1945年、松竹）役: 刀匠・大和守清秀
• - 雪夫人絵図（1950年、滝村プロ・新東宝）役: 信濃直之
• - 君の名はシリーズ（1953−54年、松竹）役: 永橋
• - 赤穂浪士（1961年、東映）役: 柳沢出羽守

テレビドラマ

• - ウロコ座（1957年、KR）
• - 東芝日曜劇場（1957年、TBS）役: 西郷隆盛
• - NHK大河ドラマ『赤穂浪士』（1964年）役: 四方庵宗徧

著書

柳永二郎は演劇についての豊富な知識を持ち、『新派五十年興行年表』や『新派の六十年』などの著作を通じて、新派の歴史や発展を体系的にまとめ上げました。その記録は、演劇史における貴重な資料となっています。

まとめ

柳永二郎の演劇に対する情熱や多彩な役柄の演じ分けは、今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品や業績は日本の演劇界の宝として、後世に語り継がれることでしょう。

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