雪夫人絵図

雪夫人絵図

『雪夫人絵図』（ゆきふじんえず）は、舟橋聖一による小説であり、それを原作とする映画作品です。

小説

小説は、『小説新潮』に1948年1月号から1950年2月号にかけて連載されました。単行本は新潮社から刊行され、後に文庫版も出版されています。

映画

この小説は、1950年と1968年の二度にわたり映画化されています。

1950年版

1950年10月21日に公開されたこの映画は、新[[東宝]]と瀧村プロが製作し、新[[東宝]]が配給しました。溝口健二が監督を務め、木暮実千代と上原謙が主演しました。

主な出演者

信濃雪：木暮実千代
菊中方哉：上原謙
安部濱子：久我美子
信濃直之：柳永二郎
誠太郎：加藤春哉
綾子：浜田百合子
さん：浦辺粂子
お澄：夏川静江
立岡：山村聡
宇津保館板前：小森敏、石川冷
ホテルのボーイ：沢井一郎
運転手：水城四郎

この映画のDVDは、2006年8月に紀伊國屋書店からハイビジョン・デジタルニューマスター版が発売され、特典として短編『朝日は輝く』が収録されています。

1968年版

1968年には、成沢昌茂監督、佐久間良子主演でリメイクされました。この作品は東映東京撮影所で製作されましたが、公開までには紆余曲折がありました。当初は東映が公開を見送ったため、お蔵入りとなりました。その後、7年後の1975年に日活が東映から買い取り、ようやく公開されました。タイトルは旧字体を含む『雪夫人繪圖』ですが、1950年版も本来は『雪夫人繪圖』であったと考えられています。

主な出演者

信濃雪：佐久間良子
信濃直之：山形勲
菊中夏二：丹波哲郎
安部浜子：長谷川澄子
寺石きん：荒木道子
誠太郎：谷隼人
綾子：浜木綿子
土屋：菅井一郎
山崎：河合絃司
お艶：北あけみ
お澄：中村芳子
磐井つね：田村奈巳
武二郎：吉田公利
立岡：永井秀明
お国：浦辺粂子
辰子：山本緑
雪夫人の幼女時代：畠山淑子
アベック・男：佐藤汎彦
アベック・女：田内加代子
アベック・男：小林稔侍
アベック・女：田沼瑠美子

主なスタッフ

監督：成澤昌茂
脚本：成澤昌茂
原作：舟橋聖一
企画：今田智憲、吉田達
撮影：成島東一郎
美術：森幹男
音楽：渡辺岳夫
録音：大谷政信
照明：元持秀雄
編集：長沢嘉樹
助監督：内藤誠

1968年版の製作と公開までの経緯

1968年1月、撮影には松竹のカメラマンとして知られていた成島東一郎が東映に招かれ、撮影が開始されました。しかし、映画は完成したものの、東映の方針と合わず、公開が見送られました。その後、1975年に日活がこの作品を買い取り、『襟裳岬』との二本立てで公開されました。しかし、興行的には成功しませんでした。

佐久間良子のキャリアとの関連

1968年版で主演を務めた佐久間良子は、この作品の製作を巡って、東映との関係が悪化しました。お蔵入りになったこの作品は、佐久間の女優としての意欲作でしたが、公開まで長い時間を要しました。

影響

佐久間良子の東映での活動に大きな影響を与えたこの作品は、当時の映画界の状況や、女優たちの葛藤も映し出す作品となりました。

映像ソフト

2010年4月に東映ビデオからDVDが発売されました。

同時上映

1975年の公開時には、『襟裳岬』が同時上映されました。

関連情報

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