柳沢米吉

柳沢米吉（やなぎさわ よねきち）

1903年（明治36年）9月12日、群馬県安中市に生まれた柳沢米吉は、昭和期に土木工学、行政、実業界で多岐にわたる活躍を見せた人物です。1995年（平成7年）1月31日にその生涯を閉じました。

学歴と官僚としてのキャリア

柳沢は、旧制群馬県立高崎中学校、旧制第八高等学校を経て、1927年（昭和2年）に東京帝国大学工学部土木工学科を卒業しました。卒業後、内務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。

1943年（昭和18年）には運輸通信省港湾局建設課長に就任し、その後1946年（昭和21年）には港湾局計画課長を務めました。戦後の1948年（昭和23年）には中国海運局長兼広島海上保安本部長に任命され、1951年（昭和26年）には海上保安庁長官に就任しました。しかし、同年には不正入出国問題に関連して衆議院行政監察特別委員会に証人喚問されるという出来事もありました。

政界と実業界での活動

1953年（昭和28年）には、第3回参議院議員通常選挙に全国区から立候補しましたが、残念ながら落選しました。その後、実業界に転身し、同年にはアジア航測株式会社の社長に就任、さらに1965年（昭和40年）には三井共同建設コンサルタント株式会社の社長にも就任しました。

要職歴任と社会貢献

柳沢は、そのキャリアを通じて数多くの要職を歴任しました。国際建設技術協会理事長、国際港湾協会理事、日本港湾協会副会長、日中土木技術交流協会理事長、そして土木学会会長などを務め、業界の発展に大きく貢献しました。また、日本水路協会の発起人としても活動しました。

受賞と著作

1975年（昭和50年）には、その長年の功績が認められ、土木学会功績賞を受賞しました。また、1986年（昭和61年）4月には『回想録』が柳沢米吉氏回想録刊行会によって刊行され、その生涯と業績が記録されています。

参考文献

* 『国政選挙総覧：1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。


柳沢米吉は、その幅広い知識と経験を活かし、日本の土木工学、港湾行政、そして実業界において、重要な役割を果たした人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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