柳田三二郎

柳田三二郎の生涯と新選組との関わり

柳田三二郎（やなぎだ さんじろう）、本名は稲田とも言われる彼は、壬生浪士組及び新選組の隊士であり、柔術の指導者として知られています。彼の具体的な生没年は不明ですが、江戸時代の末期に活動していたことが明らかになっています。彼の出身地については阿波説と大阪説が存在し、いずれにせよ彼のルーツは西日本にあるとされています。

柳田が新選組に加わったのは文久3年（1863年）の夏で、彼の参加は壬生浪士組から新選組への変遷の一部を成しています。彼は同年の8月18日に発生した政変に参加しましたが、京都で起きた池田屋事件には関与していないことが記録されています。彼は同年9月に再び新選組の一員として確認されており、慶応元年（1865年）7月まで在籍していました。

在籍中、柳田は松原忠司とともに柔術の師範を務め、柔道の普及に寄与したと伝えられています。彼自身は真道弥生流や北辰心要流などの流派において高い技術を持っていたとも考えられています。柳田は隊内で尊敬されていただけでなく、技術者としても一目置かれる存在でした。

しかし、彼の人生は同じく新選組の隊士である村田左衛門との関係がきっかけで曲がり角を迎えます。慶応3年（1867年）頃、彼は村田に対し隊内の機密情報を漏洩したとされており、これを受けて彼は脱走します。脱走の時期は同年の6月以前であったとされていますが、その理由については詳細は不明です。脱藩後の彼については様々な憶測が飛び交い、長島喜太郎という名前に改名したとも言われています。

柳田三二郎は脱藩時において50歳前後と推定されており、当時の新選組隊士の中では最年長者であった可能性があります。彼の脱藩とその後の動向については多くの謎が残されているものの、碁打ちを好んでいたことが知られています。碁に対する熱意も、彼の人柄や余生に影響を与えていたのかもしれません。

柳田の生涯は、新選組や幕末の動乱と密接に関連しながらも、彼自身の選択によって未解決の謎と化しました。新選組という歴史的な集団の中での彼の評価や存在意義は、未だに多くの人々に考察され続けています。彼の人生は歴史的な背景の中で独自の光を放ち、今や語り継がれるべき物語となっています。

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