柴田佳主也

柴田佳主也：稀代のワンポイントリリーバー、数々の珍記録の持ち主

柴田佳主也氏は、1968年3月16日、兵庫県明石市生まれの元プロ野球選手です。左投げ左打ちのサイドスロー投手として、主にワンポイントリリーフで活躍しました。130キロ台の速球と切れ味鋭いスライダーを武器に、数々の異彩を放つ記録を残した、プロ野球界の異端児と言える存在です。

遅咲きのプロ野球人生

小学生時代はソフトボールに励み、野球を始めたのは中学入学後でした。明石高校時代は肘の故障によりベンチを温める日々を送り、卒業後は社会人野球の阿部企業に入社。都市対抗野球にも出場するなど経験を積みました。社会人時代には警備員として働いていた際にイノシシに襲われるという、野球とは全く異なる場面でのハプニングも経験しています。

1990年のドラフト会議で近鉄バファローズから4位指名を受けプロ入り。しかし、一軍デビューは5年目と遅く、1997年シーズンに54試合に登板してようやく左のワンポイント投手として頭角を現しました。

プロ野球史に残る数々の記録

柴田氏のプロ野球人生は、数々の珍しい記録で彩られています。まず、特筆すべきは「連続登板機会敗戦なし」の日本プロ野球記録235試合です。これは、登板した試合で一度も敗戦投手にならなかったという驚異的な記録です。

さらに、1997年5月14日の福岡ダイエーホークス戦では、1球でプロ初黒星を喫しました。これはプロ野球史上初の「1球敗戦」として記録されました。そして、この1球敗戦が彼のプロ野球人生における唯一の黒星であったという点も特筆に値します。

2000年7月18日、日本ハムファイターズ戦でプロ10年目、168試合目の登板にして初勝利を挙げました。これはプロ野球記録となる、初勝利までの登板数でもあります。同年に初勝利を挙げた戎信行投手が前年までに27試合の登板数であったことと比較すると、柴田氏の特殊なケースが際立ちます。ワンポイントとしての登板機会が多かったにも関わらず、168試合を要した背景には、重要な場面での起用が多く含まれていたことを示唆しています。

波乱万丈の球団を渡り歩く

2001年には近鉄の選手会副会長を務め、チームの優勝に貢献しましたが、球団の若返り政策により戦力外通告を受けます。その後は日本ハム、阪神、ダイエーと渡り歩きますが、いずれの球団でも戦力外通告を受け、4球団全てで自由契約となり、3年連続でテスト入団するという、波乱に満ちたキャリアを歩みました。

2004年シーズン限りで引退後は、マスターズリーグ大阪ロマンズに所属。現在はスポーツDEPO天王寺店でアドバイザーとして活躍しています。

家族

柴田氏には、北海道文化放送アナウンサーの柴田祐里菜さんが長女としています。祐里菜さんは、2023年の入社前にはサンテレビガールズとして活動していました。

まとめ

柴田佳主也氏は、130キロ台の速球とスライダーを武器に、左のサイドスロー投手として独特の地位を築きました。数々の記録、特に「連続登板機会敗戦なし」235試合という驚異的な記録は、彼の野球人生の軌跡を象徴しています。また、1球での初黒星や初勝利までの登板数など、数々の珍しい記録も残し、プロ野球史にその名を刻みました。そのユニークな経歴と、持ち前の明るさで、多くの人々を魅了し続けた、稀代のワンポイントリリーバーでした。

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