柴田博之 (陸上選手)

柴田 博之

柴田 博之（しばた ひろゆき）氏は、1963年4月26日に京都府城陽市で生まれた、日本の元陸上競技選手であり、現在は指導者として活躍しています。特に走幅跳を専門としていましたが、選手引退後は指導者として顕著な実績を上げており、現在は京都府にある洛南高等学校の教員を務めながら、同校陸上部の監督としてチームを率いています。プライベートでは、かつて400m走の日本記録を保持していた柴田こずゑ氏を妻に迎えています。

競技者としての道のり

陸上競技との出会いは、地元の城陽市立城陽中学校時代にさかのぼります。当初は走高跳の選手として才能を示しましたが、洛南高等学校へ進学したことを機に、走幅跳へと専門種目を転向しました。高校時代には、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）の走幅跳競技で2位に入るなど、その実力を高めていきました。

大学は天理大学へ進み、競技を継続。特に4年時には、全日本学生陸上競技対校選手権大会（全日本インカレ）の走幅跳で頂点に立ち、大学での競技生活を最高の形で締めくくりました。

大学を卒業した後も、選手としてのキャリアを終えることなく、母校である洛南高等学校の教員という立場で競技活動を続けました。そして、1988年には日本陸上競技選手権大会の走幅跳で自身初となる優勝を果たし、同年に開催されたソウルオリンピックに男子走幅跳の日本代表として選出される栄誉を得ました。

1992年に現役選手としての活動に区切りをつけ、その後は洛南高等学校陸上部の指導者としての道に専念する決意を固めました。

指導者としての功績

選手としての経験と知識を活かし、柴田氏は指導者として大きな才能を発揮しました。洛南高等学校陸上部を指揮するようになってから、チームは目覚ましい発展を遂げます。特に2012年以降は、インターハイの総合優勝を幾度となく達成するなど、高校陸上界において洛南高等学校を全国屈指の強豪校としての地位に押し上げました。現在、洛南高等学校が陸上競技の名門校として広く認知されているのは、柴田氏の指導手腕によるところが大きいです。

柴田氏の指導の中でも、特に評価が高いのはスプリント種目の選手育成です。彼の指導を受けた多くの短距離選手が、全国レベルで活躍しています。その教え子の中には、2017年に日本人選手として初めて100m走で9秒台という歴史的な記録を樹立した桐生祥秀選手がいます。柴田氏が培ってきた指導メソッドが、日本陸上界のトップレベルの選手を生み出す基盤となっていることがうかがえます。

その他の活動

指導者としての経験や理念は、映像商品や書籍という形でも共有されています。2014年には、走幅跳指導に関するコンセプトを解説した映像商品が、2016年にはスプリント指導に関する映像商品がそれぞれリリースされました。また、2017年には陸上競技の練習法に関する著書も出版しており、選手や他の指導者への情報提供、そして陸上競技の普及・発展にも寄与しています。

柴田博之氏は、選手としてオリンピックの舞台に立ち、そして指導者として数多くのトップアスリートを育て上げることで、長年にわたり日本の陸上界に多大な貢献を果たし続けています。

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