柴辻俊六

柴辻俊六（しばつじ しゅんろく）について

柴辻俊六は1941年に山梨県で生まれ、2022年に他界した日本の著名な歴史学者・古文書学者です。彼は戦国時代史を専門とし、古文書学において重要な役割を果たしました。その業績は、学問の枠を超え、文化財の保存と普及にも寄与しました。

学歴と経歴の始まり

彼は1941年9月10日に山梨県中巨摩郡竜王村に生まれ、地元の村立中学校や高等学校を経て、1964年に早稲田大学の教育学部を卒業しました。大学では郷土史をテーマにした卒業論文を執筆し、特に水利の管理について焦点を当てました。その後、大学院に進学し、古文書学を専門に学びます。修士論文は戦国大名の領国構造というテーマで、中国地方での研究にも寄与しました。

教職と研究の道

1967年に修士課程を修了後、柴辻は教職に就きながら、博士課程に進むことになります。彼は早稲田大学図書館に勤務し、古文書室の設立に関与しました。この図書館では、古文書の整理や未整理文書の調査に取り組み、特に武田氏に関連する文書の収集を始めました。彼は戦国期研究会や地方史研究協議会に参加し、同時に歴史に関する学会にも積極的に参加していました。

多彩な業績

1999年以降、柴辻はさまざまな大学で非常勤講師をつとめました。彼の学問的貢献は、特に「戦国大名領の研究」に関する著作や論文に現れ、1983年には文学博士の学位を取得しました。その後も、武田氏に関する研究を深め、学会において運営委員や評議員などの重要な役割を果たしました。地域史の編纂や多くの史料集の刊行にも関与するなど、多岐にわたる活動を行いました。

著書と影響

柴辻の著書は数多く、戦国武将に関する詳細な研究書から、古文書の収集・整理に関する指南書まで多岐にわたります。特に、武田信玄やその家臣、さらには戦国大名に関する文書や研究は、高く評価されています。彼はまた、『新編甲州古文書』や『戦国遺文 武田氏編』といった編纂業務を通じて、多くの貴重な文書を後世に伝えることに努めました。このような業績が評価され、1992年には野口賞を受賞しました。

晩年とその後

定年退職後は、武田氏研究に専念し、一般向けの著作も執筆しました。歴史学や古文書に対する彼の情熱は生涯を通じて衰えることがなく、2022年まで活躍し続けました。彼は心不全により東京都内の病院で亡くなり、80歳の誕生日を迎えることなくこの世を去りました。学問と文化への彼の貢献は、今後も多くの研究者や学生に影響を与え続けるでしょう。

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