柵原駅

柵原駅の概要

柵原駅（やなはらえき）は、岡山県久米郡柵原町（現在の美咲町）に存在した同和鉱業片上鉄道の駅で、現在は廃駅となっています。この駅は、地元で産出される硫化鉄を、瀬戸内海に位置する片上港まで効率よく輸送するために設計されていました。駅は1931年（昭和6年）に開業し、当初は岡山県勝田郡飯岡村吉ヶ原という名称で知られていました。

歴史の変遷

柵原駅は、1931年2月1日に正式に開業しました。1955年には柵原町が正式に成立し、その結果所在地名が岡山県久米郡柵原町吉ヶ原に変わりました。1987年には、トラック輸送への移行により鉄道での鉱石輸送が中止され、1991年には路線自体が廃止されることとなり、駅も廃駅となりました。

2004年には、柵原鉱山の崩落のリスクを考慮し、駅舎や関連施設が取り壊されました。このように、柵原駅の歴史は長いものであり、地元経済に大きな影響を与えていたことが伺えます。

駅の構造

柵原駅は、1面3線構造の有人駅で、特徴的な赤い三角屋根の駅舎を有していました。駅のすぐ隣には同和鉱業柵原鉱業所があり、鉱石の積込施設が設置されていました。構内には職員用の跨線橋や貨車の留置線、計重台などが配置されており、蒸気機関車時代の名残りである灰捨てピットも存在していました。最盛期には、多くの貨物がここから運ばれていたことを思わせる構造でしたが、貨物輸送が廃止された後は完全に無人化され、駅の規模も1面2線に縮小されました。

駅周辺の状況

駅の周辺には、同和鉱業の施設や美咲町の役場にあたる旧柵原町役場、さらには柵原郵便局、美咲町立柵原西小学校や中学校といった重要な施設があります。また、駅が廃止された2020年時点では駅舎や周辺のリールは撤去されており、駅跡地ではDOWAエフテックによるフェライト製品の製造が行われています。

隣接する駅

旅客駅としての役割は果たしていないものの、柵原駅の隣には同和鉱業が運営する片上鉄道線の吉ヶ原駅があります。これにより、かつての鉄道網の一部として、地域の交通機関の歴史を語る記憶となっています。

まとめ

柵原駅は、岡山県の一部で長い歴史を持つ鉄道駅であり、特に鉱石輸送の中心地として地元産業を支えてきました。多くの人々に利用され、地域経済を支えてきたこの駅の存在は、今でも懐かしい思い出として地域の人々の心に残っています。

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