柿の木のある家

柿の木のある家

『柿の木のある家』は、壺井栄によって1949年に発表された小説であり、1955年には同作を原作とした映画が製作・公開されました。この作品は、戦後の日本の家族の姿を温かく、そして時に厳しく描き出し、多くの人々の心を捉えました。

小説『柿の木のある家』

もともと、壺井栄が1943年に執筆し、翌1944年に『海のたましい』として発表した作品を改稿・改題したものが『柿の木のある家』です。1949年4月には、山の木書店から同名の短篇集に収められて出版されました。

この短篇集には、『柿の木のある家』の他にも、『ともしび』、『坂道』といった作品が収録されており、これらの作品もまた、戦後の人々の生活や感情を繊細に描いています。

映画『柿の木のある家』

小説『柿の木のある家』、そして短篇集に収録された『ともしび』『坂道』を原作として、浄明寺花子が脚色を手がけ、1955年に芸研が映画を製作、東宝が配給し公開されました。

映画の監督は古賀聖人が務め、上原謙、高峰三枝子らが出演しています。映画は、戦後の混乱期を生きる家族の姿を、美しい映像と心に響く音楽で描き出し、観る者の心を深く揺さぶります。

あらすじ

映画『柿の木のある家』は、戦争で家を失った家族が、新たな生活を始めるために古い一軒家に移り住む物語です。家には大きな柿の木があり、家族はその木を大切にしながら、互いに支え合い、困難を乗り越えていきます。

物語は、家族の絆、希望、そして再生を描き出しています。柿の木は、家族の成長を見守る象徴として、物語の中で重要な役割を果たしています。

キャスト

新川浩三：上原謙
新川松子：高峰三枝子
小松仙太郎：小杉義雄

スタッフ

監督：古賀聖人
脚本：浄明寺花子
原作：壺井栄
音楽：佐藤勝

映画の現状

現在、本作の上映用プリントは、東京国立近代美術館フィルムセンターには所蔵されておらず、デジタル・ミームが所有し、レンタルを行っています。

小説の主な書誌

『柿の木のある家』、絵赤松俊子、山の木書店、1949年
『壷井栄作品集 第2巻』、筑摩書房、1956年
『昭和児童文学全集 5』、東西文明社、1957年

外部リンク

柿の木のある家 - allcinema
柿の木のある家 - KINENOTE

『柿の木のある家』は、小説、映画ともに、戦後の日本人の心の拠り所となった作品です。家族の温かさ、困難に立ち向かう勇気、そして未来への希望を描いたこの作品は、現代においても多くの人々に感動を与え続けています。

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