栁澤哲

栁澤哲: 陸上競技のレジェンド

栁澤哲（やなぎさわ さとし）は、1971年1月19日生まれの日本の陸上競技選手及び指導者です。現在、山梨学院大学陸上競技部のコーチとして活躍しています。彼の専門分野は競歩であり、男子5000m競歩、男子10000m競歩、男子20km競歩、男子30km競歩において日本記録を保持していた実績があります。また、シドニーオリンピックの代表選手としても名前が知られています。

栁澤選手は長野県中野市出身で、山梨学院大学を卒業後、綜合警備保障に勤務し、その後株式会社協和にも所属しました。競技者としてのキャリアの他にも、彼は世界陸上やオリンピックにおいて競歩競技の実況解説を務めるなど、幅広い活躍を見せています。

経歴

栁澤はジュニア・学生時代から日本のトップ選手として名を馳せました。特に、1994年と1995年には男子20km競歩の日本記録を打ち立て、多くの記録を残しました。また、1995年と1999年のIAAFワールドカップ競歩にも出場し、国際舞台での経験を積みました。

1996年、栁澤選手は日本選手権で男子20km競歩を制覇しましたが、アトランタオリンピックの最終選考会では、トップ争いを繰り広げていたものの、残り2kmで失格となり、オリンピック出場を逃しました。この出来事は彼にとって大変な試練となりましたが、その後の成長の糧となったことでしょう。

2000年には、日本選手権男子20km競歩で新たに日本記録を樹立し、この記録は2013年まで、鈴木雄介によって破られるまで13年間保持されました。同年のシドニーオリンピックでは、10km競歩において日本記録を更新し、更なる飛躍を遂げました。この成果は、彼に自信を与えたことでしょう。

続く2001年の世界陸上選手権では、男子20km競歩で日本人選手として初めて7位入賞を果たし、その後も2002年のアジア競技大会で銅メダルを獲得するなど、トップ選手としての地位を確立しました。しかし、谷井孝行選手や山崎勇喜選手の台頭により、栁澤選手は次第に競技の第一線を退くことになります。

現在、栁澤選手は東京大学の生涯スポーツセンターで勤務しつつ、明石顕選手の専任コーチを務めていますさらに、母校である山梨学院大学陸上競技部の競歩部門でも指導を行っており、若手選手の育成にも力を入れています。

また、2007年の世界陸上選手権で競歩種目のコース上解説者を務めたり、2011年以降の各種大会でも解説を担当したりと、その知識と経験を生かした活動を続けています。2011年10月からはTOTOの助成を受けてオーストラリアにてコーチ留学を行い、技術を磨いています。

さらに、2000年春の赤坂5丁目ミニマラソンにも参加し、他のランナーたちを寄せ付けない走りをみせました。近年は、一般社団法人国際統合リハビリテーション協会と連携し、ウォーキング療法士を監修するなど、新しい形のスポーツ指導にも積極的に関与しています。

自己記録

栁澤哲の主な自己記録には、5000m競歩 19分09秒90（1995年）、10km競歩 39分56秒（2000年）、15km競歩 59分49秒（2000年）、20km競歩 1時間19分29秒（2000年）などがあります。彼の功績は、陸上競技界での地位を確立し、後の世代へと受け継がれる足跡を残しました。

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