栁田昌夫

栁田昌夫の経歴

栁田昌夫（やなだ まさお）、1966年7月11日生まれ、徳島県出身の元プロ野球選手およびプロ野球審判員です。特にプロ野球選手から審判員への転身は非常に珍しいケースであります。選手時代は、ヤクルトスワローズで内野手としてキャリアをスタートし、後に外野手に転向。選手時代の登録名は柳田浩一でした。

選手としてのキャリア

栁田は、徳島県立鳴門商業高等学校を卒業後、1985年のドラフトでヤクルトスワローズに3位で指名されて入団します。入団当初は内野手としてプレーしていましたが、1990年に野村克也が監督に就任すると、俊足と強肩が評価されて外野手にコンバートされました。この年、彼は開幕戦に右翼手として先発出場し、その後もレギュラーの座を維持。特に1990年には自身唯一となるゴールデングラブ賞を受賞しています。

しかし、翌1991年には打撃不振が続き、ポジション争いに敗れレギュラーから外れることに。1992年には日本シリーズにも出場し、貴重な代走、守備で活躍しましたが、その後の出場機会は減少しました。1994年に近鉄バファローズに移籍し、1996年に現役を引退します。引退後、球団マネージャーから審判員テストを受けることを勧められ、第二のキャリアをスタートさせることになります。

審判員としての活動

栁田は1997年からパシフィック・リーグの審判部に加入し、初めは袖番号8を身に着け、後に5に変更されました。2002年にはオールスターゲームに出場し、2007年には日本シリーズにも初めて出場。特に2007年の日本シリーズでは劇的な場面で球審を務めるなど、その立場でも注目を集めました。

また、2009年の試合では通算出場試合数が1000試合を超えるという快挙を実現。2010年には主任に昇進し、さらには2013年からは審判の基本姿勢を変更し、2014年には1500試合出場を達成するなど、審判キャリアでも数々の記録を残しました。2020年にはついに2000試合出場を達成し、その後はサブクルーチーフの役職に就きますが、最終的には2023年に一般審判員として活動を終えました。

危険球事件

審判時代には、2012年の日本シリーズでの危険球判定が特に注目を浴びました。日本ハムの投手が巨人の打者に内角球を投げた際、判定を巡って激しい抗議が行われ、メディアからは「世紀の大誤審」と報じられることになりました。この事件は、審判員としての判断が時に大きな論争を引き起こすことを象徴する出来事となりました。

結論

栁田昌夫は、選手と審判の両方の立場でプロ野球界に貢献した希有な存在です。今後はNPB審判部のスーパーバイザーとして、新たな役割を担うことになります。彼の経験や知識は、若い審判員たちにとっての貴重な財産となるでしょう。

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