栃木県立粟野高等学校

栃木県立粟野高等学校は、かつて栃木県鹿沼市口粟野の地に設立されていた公立高等学校です。地域社会に貢献する人材育成を目指し、長年にわたり教育活動を行ってきましたが、2011年、栃木県立鹿沼農業高等学校との統合により、新たに開校した栃木県立鹿沼南高等学校へと引き継がれる形で閉校しました。

沿革

本校の歴史は、1953年に栃木県立鹿沼農商高等学校の粟野分校定時制課程として、地元の粟野町立第一小学校内に設置されたことに始まります。翌1954年には、独立した校舎建設に向けた計画が具体化し、商業科の設置も認可され、現在地に敷地が取得されました。1955年には新校舎が完成し、当地に移転。これにより、教育環境の整備が進みました。

分校ながらも発展を続け、1959年には全日制課程も設置され、1960年には「農村家庭科」が「家庭科」へと改称されました。そして、1963年には創立10周年を迎え、記念式典が挙行されました。

特筆すべき転換期は1967年です。この年、粟野分校は栃木県立粟野高等学校として独立を認められ、新たなスタートを切りました。独立後の1968年には校歌と女子の制服が制定され、1969年には体育館兼講堂が竣工するなど、学校としての基盤が強化されていきました。1970年には同窓会から寄贈された校旗の樹立式が行われています。

学科構成にも変化がありました。1975年には商業科が普通科に転換され、普通科2学級体制となりました。同年、独立記念日を5月10日と定めました。その後も、1976年には柔剣道場、1979年には普通教室棟と特別教室棟が完成するなど、教育施設の拡充が継続的に図られました。

1980年代に入ると、学校の特色化や教育環境の近代化が進みます。1981年には校地が拡張され、県から「特色ある学校づくり」推薦校の指定を受けました。1983年には推薦入学制度が導入され、管理・特別教室棟や記念碑が完成。1984年には生活指導室「青清寮」、プール、弓道場といった多様な施設が竣工しました。1987年には文部省より「体力つくり」推進校の指定を受け、洋式庭園やテニスコートも整備されました。1988年には家庭科も普通科に転換され、全日制は普通科のみとなりました。また、制服もブレザー型に改定されています。

1990年代も施設整備や特色ある取り組みが続けられました。1992年には県「活力ある高校づくり」推進事業、1993年には県「同和教育」研究学校の指定を受けるなど、積極的に教育改革に取り組みました。1994年には学校祭「青清祭」が一般公開されるようになり、地域との連携を深めました。

2000年代に入ると、学校再編の波が訪れます。2004年に粟野高等学校再編成計画が決定され、2009年には生徒募集が停止されました。そして、2011年3月2日、閉校式が執り行われ、58年にわたる学校の歴史に幕を閉じました。

設置学科

全日制課程に普通科が設置されていました。

学校行事

主な学校行事としては、7月に行われる全学年対象の夏期講習、毎年11月に開催される文化祭、そして2年生を対象に12月に実施される修学旅行がありました。

所在地およびアクセス

学校は栃木県鹿沼市口粟野1730に位置していました。公共交通機関を利用する場合、JR鹿沼駅または東武鉄道新鹿沼駅から関東バスに乗車し、およそ30分でアクセスすることが可能でした。

もう一度検索