栃木県立鹿沼農業高等学校

栃木県立鹿沼農業高等学校

栃木県立鹿沼農業高等学校（とちぎけんりつ かぬまのうぎょうこうとうがっこう）は、かつて栃木県鹿沼市みなみ町に置かれていた公立の高等学校です。長年にわたり、地域の農業教育を担ってきましたが、2011年に閉校しました。これは、栃木県立粟野高等学校との統合に伴い、新たな高校として栃木県立鹿沼南高等学校が設置されたためです。

教育内容と特色

本校は農業を専門とする高校として、実践的な学びと専門知識の習得に重点を置いていました。閉校時には、以下の専門学科が設けられていました。

農林経営科: 農業生産技術に加え、経営、流通、マーケティングなど、現代農業の経営に関する知識や技能を習得する学科。
農業機械科: 農業機械の構造、操作、整備、修理に関する専門技術を学ぶ学科。
造園土木科: 造園技術や土木に関する基礎知識を習得し、景観整備や地域インフラに関わる技術を学ぶ学科。
生活科学科: 食料、被服、住居、保育など、生活全般に関わる知識と技術を学ぶ学科。

これらの学科を通して、生徒たちは将来、農業分野や関連産業で活躍するための専門性を身につけました。

沿革

学校の歴史は、1903年に創設された私立上都賀学館に始まります。これが学校の源流とされ、1909年には栃木県上都賀郡立農林学校として開校しました。その後、1921年に栃木県立実業学校が開設され、翌1922年には栃木県立鹿沼農商学校と改称されます。戦後の学制改革を経て、1948年には栃木県立鹿沼農商高等学校となりました。

地域教育の拡充として、この時期には複数の分校が設置されました。1949年に豊岡分校、1950年には南押原分校と落合分校、1953年には粟野分校がそれぞれ開設されました。分校は後に再編され、1967年には粟野分校が栃木県立粟野高等学校として独立しました。また、1982年には南押原分校が廃止されています。

本校が農業を専門とする「栃木県立鹿沼農業高等学校」として分離独立したのは1972年です。鹿沼農商高等学校から商業科が分離したことに伴い、農業科に特化した体制となりました。

県立高校の再編計画により、2009年、栃木県立粟野高等学校との統合による栃木県立鹿沼南高等学校の設置に伴い、生徒募集を停止しました。そして2011年3月、多くの卒業生を送り出した後、100年以上にわたる歴史に幕を閉じ、閉校となりました。

所在地

閉校時の所在地は、栃木県鹿沼市みなみ町8-73でした。地理的には、北緯36度31分17.5秒、東経139度46分13秒の位置にあたります。

関連情報

閉校後の教育機能の一部は、統合によって設立された栃木県立鹿沼南高等学校に引き継がれています。統合相手であった栃木県立粟野高等学校も閉校しています。日本の高校の廃校リストや、農業に関する学科を設置する高校リストに関連情報が記載されています。

著名な出身者としては、栃木県議会議員を務めた星一男氏がいます。

地域に根差した農業教育の拠点として重要な役割を果たした鹿沼農業高等学校は、閉校後もその歴史と伝統は多くの人々の記憶に残されています。

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