栃東大裕

栃東 大裕 (とちあずま だいすけ)

栃東 大裕は、1976年11月9日生まれで東京都足立区出身の元大相撲力士である。彼の本名は志賀 太祐で、玉ノ井部屋に所属していた。最高位は東大関であり、現役時代の体重は155kg、身長は180cmと恵まれた体格を持っていた。得意技にはおっつけやハズ押し、いなしなどがあり、これらの技術が彼の相撲スタイルに彩りを与えた。趣味はラジコンやゴルフで、個性的な一面も見られた。

来歴と成長

栃東は、父親が元関脇の玉ノ井親方という相撲一家に生まれた。小学校時代は野球や水泳に打ち込みながら育ったが、6年生の時に相撲に転向。明大中野中学校へ進学し、相撲部に入るが当初は全国レベルには達していなかった。明大中野高校在学中に高校横綱に輝いたことで、父のもとで角界入りを果たす。1994年の11月場所で初土俵を踏み、本名の志賀の四股名で活動を始めた。

初土俵から順調に出世を遂げ、序ノ口から幕下まで全段で優勝を達成する快挙を成し遂げた。しかし、95年の初場所ではけがに悩まされながらも順調に勝ちを重ね、1996年には十両昇進し、四股名を栃東に改名。その後、十両でも連続で二桁勝利を収め、11月場所には新入幕を果たす。

大関への道

新入幕後、栃東は早くから注目される存在となり、1997年の6月に小結、9月には関脇へ昇進し。それに続き、1998年には右肩を剥離骨折し約1年半のリハビリを余儀なくされた。しかし、2001年の年に関脇として合計34勝を挙げ、遂に大関へと昇進を果たす。栃東は新大関として111連勝を達成し、初優勝を飾る瞬間が訪れた。その際、栃東は「努力精進」の言葉を口にし、さらなる高みを目指す強い意志を示した。

大関としての厳しい道のり

大関昇進後、栃東は順調に勝ち星を重ねるも、2002年に肩を負傷し、2003年からは年内を通して勝ち越しが難しくなった。これにより大関から関脇へと陥落する事態も経験した。しかし、注目すべきは2度の大関特例復帰を果たしたことで、彼は史上初の評価を得た。この時期には柔軟な筋肉作りを意識し、体調管理に努めながら復帰を果たしていった。

引退とその後

しかし、2007年に様々な怪我や高血圧に悩み、現役生活の終わりが近づく。最終的に5月7日に引退を宣言し、以後は年寄・栃東として後進の指導に活躍。年寄に就任した後も、新進力士を育てながら、相撲界で根強い存在感を示している。

栃東のキャリアは、生涯にわたって挑戦と克服の連続であり、彼自身も精神的な強さを持った力士としての存在感を残した。栃東の取組のスタイルは多様で、観客を魅了し続けた彼の姿が今でも思い出される。引退後は後進の指導に尽力し、相撲界において重要な役割を果たし続けている。

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