栄光何するものぞ

『栄光何するものぞ』（原題：What Price Glory）は、1952年にアメリカで製作された映画で、ジョン・フォードが監督を務めました。この作品は、1924年に発表されたマックスウェル・アンダーソンとローレンス・スターリングスによる戯曲『What Price Glory?』を原作としています。この戯曲は、第一次世界大戦中のフランスを舞台に、二人の海兵隊大尉、フラッグとクワークの対立と友情を描いたコメディであり、その人間ドラマが観客を魅了しました。

映画版では、ジェームズ・キャグニーがクワーク大尉役を、ダン・デイリーがフラッグ大尉役を演じ、二人の掛け合いが物語を彩っています。また、ピア・アンジェリの双子の姉妹であるマリサ・パヴァンが本作で映画デビューを果たし、その存在感が注目されました。彼女は劇中で、クワーク大尉が恋心を抱くシャルメーヌ役を演じています。

物語は、戦時下の過酷な状況の中で繰り広げられる、二人の軍人としての責任と友情、そして恋愛模様を描いています。フラッグ大尉とクワーク大尉は、互いに反発しながらも、困難な局面では協力し合い、男同士の絆を深めていきます。その一方で、クワーク大尉はシャルメーヌに惹かれていき、彼女を巡ってフラッグ大尉との間に新たな火種が生まれます。戦場という極限状態の中で、彼らの感情は激しく揺れ動き、物語に深みを与えています。

この作品は、戦争の悲惨さを描きながらも、ユーモアを交え、人間味あふれるドラマとして描かれています。フォード監督は、戦争における人間の感情や葛藤を巧みに捉え、観客に強い印象を与えました。また、アルフレッド・ニューマンによる音楽も作品を盛り上げ、観客を魅了しました。

映画は、NETテレビの『日曜洋画劇場』で1968年2月11日に初回放送されました。スタッフとしては、監督をジョン・フォード、製作をソル・C・シーゲル、脚本をフィービー・エフロンとヘンリー・エフロンが担当しました。撮影はジョー・マクドナルド、編集はドロシー・スペンサーが務め、それぞれの分野で優れた才能を発揮しました。

原作となった『What Price Glory?』は、1926年にも『栄光』というタイトルで映画化されています。この映画は、無声映画として製作されており、本作は二度目の映画化作品となります。このことからも、この物語が多くの人々を惹きつけてきたことがうかがえます。

『栄光何するものぞ』は、戦争を背景にした男たちの友情と恋を描いた古典的な作品として、今もなお多くの映画ファンに愛され続けています。その普遍的なテーマは、時代を超えて観る者の心を揺さぶります。

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