栗原亨 (廃墟愛好家)

栗原亨：廃墟探訪の第一人者

栗原亨氏は、日本の廃墟探訪における第一人者として知られるフリーライターです。1966年7月、東京都生まれ。千葉県在住。30年以上にわたり、全国各地の廃墟を探索し、その数は1500カ所以上にのぼると言われています。

彼の廃墟探訪は、単なる趣味や娯楽にとどまりません。廃墟という空間を通して、日本の歴史、社会、そして人間の営みといった多様な側面を深く見つめ、その記録を書籍やウェブサイト、メディア出演を通して広く発信しています。特に、青木ヶ原樹海での経験は、彼の活動に大きな影響を与えており、樹海における自殺問題についても深く関心を寄せています。

栗原氏の活動は、サラリーマン生活を経て始まりました。ウェブサイト『廃墟Explorer』を開設し、廃墟探訪に関する情報を発信する傍ら、2000年にはフジテレビのドキュメンタリー番組『NONFIX』に出演。廃墟探索に魅せられたサラリーマンとして注目を集めました。

その後、彼は会社を退職し、「廃墟のプロ」として本格的な活動を展開します。2002年には『廃墟の歩き方 探索篇』を出版し、ベストセラーとなりました。この本は、廃墟探訪の入門書として広く読まれ、彼の名を世に知らしめました。以降も、『廃墟の歩き方』シリーズや『樹海の歩き方』など、多数の書籍を出版。廃墟探訪のノウハウだけでなく、廃墟にまつわる歴史、文化、社会問題などについても考察し、多角的な視点から廃墟の魅力を伝えています。

彼の活動は書籍出版にとどまりません。雑誌『ワンダーJAPAN』での連載「廃墟マニアックス」や、オリジナルビデオ『廃墟 解体新書』『樹海 解体新書』の監修、そして各地での講演会やイベントなど、多様な媒体を通じて廃墟の魅力を発信し続けています。

しかし、彼の活動は常に賛否両論を呼びます。廃墟探訪の危険性、私有地への無断侵入といった問題、そして青木ヶ原樹海での活動に関する倫理的な問題など、様々な議論が巻き起こっています。

それでも、栗原氏は自身の活動を通して、廃墟という独特な世界への理解を深める上で貴重な貢献を果たしていることは間違いありません。廃墟を通して見えてくる、日本の歴史、社会、そして人間の営み。栗原亨氏の活動は、私たちに多くのことを考えさせる、重要な役割を担っていると言えるでしょう。

主な著作物:

『廃墟の歩き方 探索篇』（2002年 イースト・プレス）
『廃墟の歩き方2　潜入篇』（2003年 イースト・プレス）
『樹海の歩き方』（2005年 イースト・プレス）
『廃墟紀行 — 荒廃した静寂な空間が語る郷愁』（2007年 マガジンランド）
『ウソかマコトか!?恐怖の樹海都市伝説』（2008年 秋田書店）
『はじめての廃墟の歩き方』（2008年 イースト・プレス）
『新・廃墟の歩き方　探索篇』（2013年 二見書房）
『廃墟ノスタルジア』（2003年 二見書房）共著
『ニッポンの廃墟』（2007年 インディヴィジョン）共著
『ニッポン地下観光ガイド』（2008年 アスペクト）共著

その他、ウェブサイト『廃墟Explorer』、Twitter、YouTubeチャンネルなどでも情報を発信しています。

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