栗林三郎

栗林 三郎

栗林三郎（くりばやし さぶろう、1907年（明治40年）1月5日 - 2001年（平成13年）2月24日）は、昭和期を代表する農民運動家および政治家として、特に衆議院議員として知られています。彼は「米と出稼ぎの栗林」として名を馳せ、米価の引上げと出稼ぎ農家の労働条件改善に注力しました。

経歴

栗林は北海道に生まれ、1922年に江別尋常高等小学校を卒業しました。初期の政治活動としては、大曲町の会議員を経て、秋田県議会に選出され、2期にわたってその職務を務めました。日本社会党の秋田県連合会の書記長や、全日本農民組合中央常任執行委員なども歴任しました。

1955年には、第27回衆議院議員総選挙に秋田県第2区から左派社会党の公認で立候補しましたが、残念ながら落選しました。しかし、1958年には第28回総選挙にて社会党から公認を受けて見事当選を果たし、その後1967年までの9年間にわたり再選を重ねました。これにより、彼は通算5期の衆議院議員として活動することになります。

この間、栗林は社会党中央執行委員や秋田県連合会執行委員長、全日本農民組合秋田県連合会の執行委員長、さらには米価審議会の委員など、重要な役職を歴任し、農民のための政策を推進しました。1972年には大曲信用金庫の理事に就任し、その後は理事長に昇進しました。

特に注目すべきは、1964年に日本で初めて開催された全国出稼ぎ者大会の実施や、その後1970年に結成された全国出稼組合連合会の初代会長として、出稼ぎ農家の権利を守る活動を行ったことです。彼はその後も名誉会長として、この組織の発展を見守りました。

家族

栗林三郎は二男を持ち、彼の息子である栗林次美は秋田県議会議員および大仙市長を務めています。このように、栗林一家は地元政治にも影響を与える存在となっています。

栗林三郎は農民とその家族を支えるために尽くした生涯を送り、2001年に94歳でその幕を閉じました。彼の遺した業績は、今もなお農業界に影響を与え続けています。農民の権利や社会保障の向上に向けた努力は、後の世代に引き継がれ、現代にも価値を持つものであり、栗林はその基盤を築いた人物として歴史に名を刻んでいます。

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