栗田元次

栗田元次（くりた もとつぐ）は、1890年（明治23年）11月3日に愛知県愛知郡田代村（現在の名古屋市千種区）で生まれ、1955年（昭和30年）12月1日に生涯を閉じました。彼は、日本の国史学者として、また教育者として多大な足跡を残しました。

栗田は、旧制明倫中学校（現在の愛知県立明和高等学校）、旧制第八高等学校を経て、1914年に東京帝国大学文学部国史学科を卒業しました。卒業後、東京帝大史料編纂官補として「大日本史料」の編纂に携わりました。その後、教育者としての道を歩み始め、八高教授、広島高等師範学校教授を経て、1929年には広島文理科大学教授に就任しました。戦後の1946年には第八高等学校校長となり、1949年には名古屋大学教授に迎えられました。1953年には、その文化的な貢献が認められ中日文化賞を受賞しています。

専門は日本近世史であり、その研究は多岐にわたりました。彼の著作は、歴史学の研究者だけでなく、一般の読者にとっても日本の歴史を深く理解するための貴重な資料となっています。

著書には、『膠州湾 独逸の東洋経営』（1914年）、『綜合日本史概説』（1926-28年）、『解説日本文化史』（1930年）、『国史教育原論』（1930年）、『国民総合日本史』（1932年）、『日本古版地図集成』（1932年）、『新制綜合日本史 初級用』（1933年）、『綜合日本史插画解説』（1934年）、『青年学校国民日本史 本科 巻5』（1935年）、『綜合国史研究』（1935-36年）、『女子綜合日本史 上級用』（1936年）、『史的研究日本の特性』（1937年）、『新体綜合国史插画地図解説』（1938年）、『栗田文庫善本書目』（1940年）、『新体綜合国史参考欄解説』（1940年）、『奈良時代の特性』（1940年）、『新井白石の文治政治』（1952年）などがあります。また、没後の1976年には『江戸時代史』、1979年には『書誌学の発達』、1982年には『総合国史文献解題』が出版されています。

栗田元次の業績は、単に学術的な研究に留まらず、教育の現場においても多大な影響を与えました。彼の著書は、教科書としても広く利用され、多くの学生が日本史を学ぶ上で重要な役割を果たしました。また、彼は多くの後進を育成し、日本の歴史研究の発展に大きく貢献しました。彼の情熱と功績は、今日においても歴史学研究に携わる人々に大きな刺激を与え続けています。

栗田元次は、その生涯を通じて日本の歴史と文化を深く探求し、次世代へと継承する重要な役割を果たしました。彼の研究は、今日の日本史研究の基礎となり、多くの研究者に影響を与えています。教育者としての彼の活動もまた、多くの人々に知識と教養を与え、社会の発展に寄与しました。彼の功績は、今後も長く語り継がれていくでしょう。

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