校式二型試作戦闘機

校式二型試作戦闘機の概要

校式二型試作戦闘機（こうしきにがたしさくせんとうき）は、日本陸軍によって1920年代初頭に試作された戦闘機です。所沢陸軍航空学校で開発が行われ、2機が製作されました。初飛行は1922年と1923年に行われたものの、操縦性に問題があったため、最終的には開発が中止されました。

歴史的背景

校式二型試作戦闘機の開発は、1909年に設立された臨時軍用気球研究会から始まります。この組織は陸軍と海軍、そして飛行研究家たちによって共同で設立され、気球や飛行船、さらには飛行機の開発などを手掛けていました。所沢を拠点に、初号機から二号機までの飛行機が製作され、各種の試験が実施されました。

その後、海軍が独自に研究を行うようになり、1919年には臨時軍用気球研究会が解散しました。この解散を受けて、所沢陸軍航空学校が設立され、航空機操縦者の養成と航空に関する研究を行うようになりました。

開発の詳細

国産戦闘機の開発は1920年から始まり、校式二型試作戦闘機がその一環として進められました。この機体はフランスのスパッドS.XIIIを参考にしながら、木製の羽風張り構造で設計され、I形の翼間支柱を持つ形になっています。また、全動式の水平尾翼が特徴です。エンジンには260馬力を発揮するサルムソン水冷エンジンが搭載され、スパッドS.XIIIよりも一回り大きい機体となりました。

試作1号機は1922年に初飛行を果たし、最高速度は128 km/hに達しました。この時点では通常の操縦性は良好でしたが、低速時の水平安定性には問題がありました。特に、4度目の試験飛行では着陸時にオーバーラン事故が発生し、機体が破損する事態となりました。

続いて製作された2号機は1923年に完成しましたが、依然として低速時の安定性に関する問題は解決できず、最終的には開発は中止されることとなります。

性能諸元

校式二型試作戦闘機の性能は次の通りです：

• - 乗員: 1名
• - 全幅: 10.00 m
• - 全長: 6.60 m
• - 全高: 2.40 m
• - 翼面積: 20.0 m²
• - 自重: 650 kg
• - 全備重量: 950 kg
• - 発動機: サルムソン 9Z 水冷星型9気筒ガソリン 260馬力 × 1
• - 最大速度: 206 km/h
• - 航続時間: 2時間
• - 実用上昇限度: 9,200 m
• - 武装: 7.7 mm機銃 × 2

校式二型試作戦闘機は、その短い開発期間にもかかわらず、日本の航空機工業の発展に寄与した重要な存在であり、航空技術の進歩に向けての基礎となりました。後の航空機開発につながる足がかりを提供したと言えるでしょう。

もう一度検索