株ネギ

株ネギ：相模原の伝統野菜

相模原市で古くから栽培されている「株ネギ」は、独特の風味と柔らかさが特徴のネギです。その歴史は古く、明治時代、大正時代にはすでに栽培されていたと伝えられています。起源については諸説ありますが、江戸時代に東北地方から伝わったという説もあります。現在も、神奈川県農業技術センター北相地区事務所において、原種の維持管理が行われています。

株ネギは、一般的な根深ネギと比べて葉鞘が柔らかく、辛みが少ないのが特徴です。そのため、生食に向いており、シャキシャキとした食感と、ネギ本来の風味を存分に楽しむことができます。サラダや薬味として利用するのはもちろん、刻んで麺類の薬味にしたり、和え物などにも適しています。その独特の風味は、他のネギでは味わえない魅力です。

収穫時期は11月から4月にかけて。他のネギと比べて比較的長い期間、新鮮な株ネギを味わうことができます。株ネギの栽培では、種子繁殖はほとんど行われていません。通常は株分けによって増殖させるため、代々受け継がれてきた伝統的な栽培方法を守りながら生産されています。株分けによって増殖させることで、均一な品質を保ち、その風味や食感を維持することが可能です。

株ネギは、分けつ性が高いことも大きな特徴です。1株から10～20本ものネギが分かれて生長するため、収穫量も多いのがメリットです。この特性は、効率的な栽培を可能にし、安定した供給に繋がっています。

相模原市の伝統野菜として、地元住民に愛され続けている株ネギ。その独特の風味と柔らかさ、そして歴史は、多くの人々に魅力を提供しています。今後とも、その伝統を守りながら、地元の食文化を支える大切な存在として、その栽培が続けられていくことを期待したいです。

参考文献

神奈川県園芸種苗対策協議会発行『かながわの地方野菜』p26～27参考　平成18年3月

関連項目

ネギ
相模原市
* 津久井郡

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