津久井郡

津久井郡について

津久井郡（つくいぐん）は、かつて神奈川県に存在した行政区画の一つで、歴史的には相模国に位置していました。この郡は、1955年に実施された大規模な合併の結果、城山町・津久井町・相模湖町・藤野町という4つの町で構成されました。2006年3月20日には、津久井町と相模湖町が相模原市に取り込まれ、その後2007年には藤野町と城山町も合併し、津久井郡という区分は消滅しました。

地理的特徴

郡の面積は238.44平方キロメートルで、その地域は主に丹沢山地の北側に広がり、相模原台地のその北西端を少し含む形になっています。全体として山地が支配的で、相模川、道志川、串川といった河川がその間を流れ、これらの河川によって作られた断片的な河岸段丘が少しばかりの平坦地を形成しています。江戸時代から昭和初期にかけて、この地域では養蚕や織物が盛んで、経済的にも賑わっていました。

郡域と歴史

津久井郡は、道志川を境に上津久井（旧藤野町・相模湖町）と下津久井（旧津久井町・城山町）に分けられます。上津久井は、甲州街道やJR中央本線を通じて東京都八王子や隣接する山梨県上野原と密接な関係にありました。一方、下津久井は旧相模原市と強く結びついていました。

郡名の由来は、鎌倉時代に津久井城を築いた三浦氏の支族に由来し、地名は歴史的な痕跡を残しています。江戸時代には、久世家領となり、幕末には相模川以南が小田原藩領となりました。明治2年には神奈川県の管轄となり、1870年に津久井県は津久井郡と改称されました。明治時代には、行政区画が整備され、津久井郡が発足したのち、さまざまな町や村が形成されていきました。

合併の経緯

津久井郡の4町は、2006年の大合併により相模原市と統合されました。津久井町と相模湖町が最初に合併し、その数ヶ月後に藤野町と城山町も相模原市に編入され、津久井郡は消滅を迎えました。その後の地域区分では、旧四町がそれぞれの自治区に設置されましたが、2010年には相模原市が政令指定都市に移行する際に、これらの自治区も廃止されました。

人口と社会

2006年3月1日時点では、津久井郡の総人口は72,871人であり、そのうち約60,000人が下津久井の地域に居住していました。これにより、下津久井の2町は相模原市との結びつきを強化し、全体の合併に至る重要な要因ともなりました。

結論

津久井郡は静かに消えていった歴史ある地域であり、その名残は現在も地域に根付く住民の暮らしや文化に見られます。過去の合併問題や地域づくりの過程は、隣接する地域との結びつきを強化し、相模原市の誕生に寄与しました。

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