株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法

東日本大震災事業者再生支援機構法（二重ローン救済法）について

東日本大震災事業者再生支援機構法、通称「二重ローン救済法」は、2011年11月28日に公布された法律です。この法律は、東日本大震災によって甚大な被害を受けた中小企業が、震災以前からの借入金（既往債務）と、復興のために新たに必要となる資金調達の両方に苦しむ、いわゆる「二重ローン問題」を解決するために制定されました。

法案の目的

この法律の主な目的は、東日本大震災によって事業継続が困難になった事業者の再生を支援することです。具体的には、「東日本大震災事業者再生支援機構」という組織を設立し、二重ローン問題に直面している中小企業に対して、債務の整理や新たな資金調達を支援することを目指しています。

法案成立までの経緯

この法律は、当初、野党4党（自民党、公明党、たちあがれ日本、新党改革）が中心となって議論を開始しました。2011年5月には原案が作成されましたが、与党民主党との協議は難航し、共同政府案としての提出は実現しませんでした。しかし、二重ローンに苦しむ中小企業を早急に救済する必要があったため、野党7名の参議院議員が議員立法として法案を提出しました。

国会での審議

• - 第177国会：参議院東日本大震災復興特別委員会に付託され、修正案が議決されました。参議院本会議では、民主党と国民新党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。その後、衆議院に送られましたが、委員会での継続審査となり、本会議でも継続審議となりました。
• - 第178国会：引き続き継続審議となりました。
• - 第179国会：衆議院東日本大震災復興特別委員会に付託され、修正案が議決されました。衆議院本会議では修正案が可決され、参議院に送られました。参議院東日本大震災復興特別委員会でも修正案が可決され、参議院本会議でも賛成多数で可決されました。

法案の公布

2011年11月28日、この法律は公布され、東日本大震災からの復興を支援するための重要な一歩となりました。

二重ローン問題とは

二重ローン問題とは、東日本大震災によって事業所や設備が損壊した事業者が、既存の借入金（震災前からのローン）を返済しながら、同時に復興のための新たな資金を借り入れる必要が生じることで、返済の負担が二重になるという問題です。この問題は、特に中小企業の経営を圧迫し、事業再生を困難にする大きな要因となっていました。

この法律によって、被災した事業者は、東日本大震災事業者再生支援機構の支援を受け、債務整理や新たな資金調達の円滑化を図ることが可能になり、事業の再生に向けた取り組みを進めることができるようになりました。

この法律は、東日本大震災からの復興を加速させ、被災した地域経済を立て直す上で、重要な役割を果たしています。

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