株式男

株式男

2001年4月5日にフジテレビで放送された『株式男』は、主演を七代目市川染五郎が務めるテレビドラマです。この作品は、「人間（自然人）に株式会社同様の価値を賦与したらどうなるか」というテーマを中心に描かれており、観る者に強いインパクトを与えています。特に、主人公の運命が予想外の結末を迎える様子は、視聴者に深く考えさせる内容となっています。

概要

主人公は不真面目なサラリーマン・高桑喜一郎です。ある日、彼は自分の名前にちなんだ株が存在することに気付き、その株の存在に興味を持ちます。翌日、通勤途中に痴漢を捕まえたり、老人を助けたりする出来事が続き、彼は喫茶店で『高桑株』の驚くべき正体を知ることになります。実はその株は、彼自身を取引の対象とするものでした。彼は配当金として大量の一万円札を受け取り、自身が有望な株主であることに気付きます。

ストーリー

喜一郎は『高桑株』の価値を上げることにやる気を出し、結果として株価は高騰していきます。これにより、彼は豪華な生活を楽しむようになりますが、彼の生活は急速に変化していきます。ある夜、クラブで飲んでいると「ディーラー」と名乗る謎の男に出会います。この男から名刺を受け取った喜一郎ですが、その後も自分の仕事に専念することになります。

その後、彼は自身の会社との合併話や社長令嬢との結婚の話に舞い上がります。しかし、その幸せは長く続かず、恋人が彼の成金趣味を嫌悪して去ってしまいます。喜一郎は深夜に酒を飲んでいた際、思わず結婚の話を漏らしてしまい、それが契機となり株主総会でインサイダー取引の疑いをかけられ、東京地方検察庁に連行されます。 これにより、彼の信用は失われ、会社を解雇される結果に至ります。彼の所有する株券も無価値になり、彼は莫大な借金を抱えることになります。

路頭に迷った喜一郎は、ポケットに入っていたディーラーの名刺を思い出し、彼を訪ねます。ディーラーは借金返済を手助けすると申し出ますが、その内容を知った喜一郎は驚愕します。彼自身が株式の材料となり、自らの存在を売りに出すという恐ろしい取引の中で、血液や臓器までが含まれるという現実に直面します。

喜一郎は必死に中止を求めますが、すでに彼の名で取引が行われていました。最終的に彼は自己の存在と引き換えに借金を返済し、多額の株を手に入れる羽目になります。この作品は、単なる株取引を超えた人間の価値や存在意義を鋭く問いかけるものであり、見る者に深い思索を促します。

キャスト

• - 高桑喜一郎: 市川染五郎
• - 祥子: 梅宮万紗子
• - 神林課長: 伊藤正之
• - 社長: 久保晶
• - OL: 武藤陶子、飛田恵里
• - 番場: 庄司永建
• - 初老の男: 笠井一彦、円谷文彦
• - アナウンサー: 佐藤旭、下村恵里、千葉茂
• - 捜査員: 濱近高徳
• - 中年男: 矢作公一
• - 喫茶店の男: 能見達也
• - 医師: 岸田修治
• - 電車の女: 丹下みな
• - 銀行員の声: 村山明
• - バーのママ: 深浦加奈子
• - 大黒影夫: 國村隼

スタッフ

• - 脚本: 高山直也
• - 監督・演出: 河野圭太

このドラマは、株という概念を通じて人間の本質を描き出しており、視聴者に衝撃的な経験を提供します。

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