核軍縮キャンペーン

核軍縮キャンペーン（CND）

核軍縮キャンペーン（Campaign for Nuclear Disarmament、CND）は、1957年に設立されたイギリスの反核運動団体です。この団体の目的は、核兵器の廃絶や軍縮を推進し、国際的に平和な環境を築くことです。CNDは、核兵器、化学兵器、生物兵器の使用を規制するための活動を行い、イギリス国内の原子力発電所にも反対しています。

設立の背景と歴史

CNDは、1957年の設立以来、イギリスの平和運動の中心的な役割を果たしてきました。特に、1958年には、直接行動委員会によって初めて「オルダーマストン行進」が企画されました。この行進は、核兵器研究所があるオルダーマストンからロンドンのトラファルガー広場まで続くものであり、毎年復活祭の連休に開催されています。この行進は、核兵器反対の声を大きくするための重要なイベントとして位置付けられています。

CNDは、1959年からこの行進を計画し、競争の激しい平和運動におけるヨーロッパ最大の単一争点の運動組織であることを確固たるものとしました。2010年からは、デビッド・ウェブが代表を務め、ケイト・ハドソンが事務局長を担当しています。

主要な主張と目標

CNDは、現在の戦略的な目標として以下の事柄を掲げています。

1. イギリスにおける核兵器の全廃と、世界全体での核兵器削減。
2. イギリス政府によるトライデントミサイルの中止及び他の核兵器の開発・購入に対する反対。
3. 兵器用核分裂性物質生産禁止条約の採択。
4. 大量破壊兵器や無差別殺害兵器の廃止。
5. 化学兵器禁止条約の遵守と生物兵器禁止条約の強化。
6. 劣化ウランを用いた武器の禁止。
7. より安全で非核のヨーロッパの実現。
8. 欧州安全保障協力機構（OSCE）の強化。
9. 欧州連合の軍事的核化に反対。
10. アメリカ軍のヨーロッパからの撤退及びNATO拡大に対する反対。
11. ヨーロッパ非核兵器地帯の設立。
12. イギリスの国土から外国軍基地の撤去。
13. 原子力発電所の新設を阻止し、再生可能エネルギー技術による置き換えを推進。
14. 核廃棄物の安全な貯蔵・管理と独立した検証。

2006年には、CNDは新たに核エネルギー反対のキャンペーンを開始しました。この活動は、当時のイギリス首相トニー・ブレアが核エネルギーを支持する姿勢を示したことを受けたもので、メンバー数は急増し、当初の3倍に達しました。

会員数と活動

CNDの会員数は、1980年代からほぼ一定モデルで増加し、数万人のメンバーを抱えるまでに至りました。1970年代から1990年代にかけての平和運動の一翼を担い、特に1960年代や1980年代には高い支持を得ていました。これにより、CNDはイギリスの核政策における重要な議論の中心として機能しています。

CNDの活動は、一般市民の意見を集約して政策に影響を与える役割を果たし続けています。今日のCNDは、核兵器の脅威に対抗するための声を上げ、国際社会での持続可能な平和を築くための活動に取り組んでいます。CNDは、イギリスだけでなく、世界中で呼びかけられる核軍縮の重要性を喚起し続けています。

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