根曳峠

根曳峠（ねびきとうげ）

根曳峠は、高知県の香美市土佐山田町と南国市の間に位置する峠です。標高は395mで、豊かな自然に囲まれた場所にあります。

概要

根曳峠は、紀伊水道に流れ込む吉野川水系と土佐湾に注ぐ国分川水系の分水界となっています。この峠を境にして気候が変化することも特徴で、冬季には峠の山側で積雪が見られることがあります。地理的にも気候的にも重要な境界となっている峠です。

歴史

峠の名前「根曳」は、南北に長く伸びる尾根に由来すると言われています。かつては、曲がりくねった急な坂道が約60kmにもわたって続いており、難所として知られていました。そのため、荷車を引くための「前引き犬」と呼ばれる貸し犬が峠の下に10数頭ほどおり、行商人の峠越えを助けていたという記録が残っています。前引き犬は、峠を越える人々の生活を支える重要な存在でした。

1894年（明治27年）には、現在の国道32号の原型がほぼ完成しましたが、この道の上り坂の勾配は、人力車の登坂テストの結果を基に決定されたという記録が残っています。当時の交通事情や技術水準を反映した興味深いエピソードです。

国道32号

国道32号は、高知県を南北に縦断する重要な道路であり、根曳峠もその一部を構成しています。現在では舗装され、自動車での通行が容易になっていますが、かつての面影も残っています。

日本の峠一覧

根曳峠は、日本の数多くの峠の一つです。これらの峠は、古くから人々の生活や文化に深く関わってきました。峠を越える道は、交易路として、また人々の移動の手段として重要な役割を果たし、歴史的な出来事の舞台ともなりました。根曳峠もまた、その歴史の中で様々な物語を紡いできた場所です。

根曳峠は、その自然の美しさ、歴史的な背景、そして交通の要所としての役割を通じて、訪れる人々に深い印象を与える場所と言えるでしょう。

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