桂九雀

桂 九雀（かつら くじゃく）

桂九雀（かつら くじゃく、1960年12月2日生まれ）は広島県広島市出身の落語家で、名は室屋聖（むろや とおる）です。2020年にフリーになった彼は、上方落語協会の元会員であり、1994年に脱会した後、2008年に再加入しました。彼の落語家としてのキャリアは多岐にわたり、独自のスタイルや創作活動で知られています。

人物の背景

幼少期を広島で過ごした後、大阪に転居。名古屋市立有松小学校を卒業し、大阪府立箕面高等学校を経て、1979年に2代目桂枝雀に入門しました。初舞台は同年6月に行われた「雀の会」で、「東の旅発端～煮売屋」を演じました。

彼は落語会の主催や新しいスタイルの創作にも力を注いでおり、1984年から1985年にかけては自身の落語会「九雀パフォーマンス」を大阪市北区で開催。1990年代には、リートショー形式の「九雀のらくごヴェリテ」を不定期で開催し、さまざまなスタイルの落語を展開しました。

彼の活動の一環として、高座名である「九雀」にちなんで、9月9日を「九雀の日」と定め定期的に落語会を行うなど、独自のイベントも実施しました。

創作活動と特徴

桂九雀は新しい形の落語「噺劇」を創造し、これを2011年以降「はなしげき」と呼称しています。古典の新演出や新作落語にも積極的に取り組んでおり、その作品の豊富さは上方落語界でも評価されています。持ちネタは296を超え、古典の演じ方を工夫したものから、新作まで多岐にわたります。

また、趣味として将棋を愛し、自作の詰将棋を雑誌に発表していたり、月刊将棋世界や詰将棋パラダイスで連載を持つなど、本人の多才さを物語っています。

プライベートと家庭

桂九雀は妻に寄席三味線方の高橋まきを迎え、彼女との共同活動も多く見られます。長男・青空は舞台出演経歴を持っていましたが、現在はマジックの活動をしていません。私生活では和服を好んで着用し、落語家としての姿勢を大切にしています。

近年の活動

2020年には米朝事務所を退所し、フリーとして活動しています。弟子も増えており、桂九ノ一や桂九寿玉がそれぞれ入門し、彼のスタイルを受け継ぐ形で活動をしています。メールマガジン「九雀通信」も不定期に発行しており、彼の動向や持ちネタの更新情報などを発信しています。

終生学び続ける姿勢と多様な活動によって、桂九雀は今後ますます注目されるべき落語家であることは間違いありません。

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