桂古流

桂古流：伝統と革新を融合するいけばなの流派

日本の伝統文化であるいけばなを代表する流派の一つに、桂古流があります。埼玉県さいたま市に本部を置く桂古流は、慶応3年（1867年）、養真斎白龍によって創設されました。以来、脈々と受け継がれる伝統と、現代的な感性を融合させた指導で、多くの人々にいけばなの魅力を伝えています。

歴史と発展：桂宮家ゆかりの流派

桂古流という流派名は、創設者である養真斎白龍が桂宮家に仕えていたことに由来しています。その後、3代目家元池華叟がさいたま市（旧浦和市）に本部を移転、昭和28年（1953年）には6代目家元新藤華盛によって財団法人新藤花道学院として埼玉県より承認されるなど、着実に発展を遂げてきました。

本部周辺の再開発に伴い、現在では超高層ビルであるエイペックスタワー浦和の南館に本部会館を移転。県内最大規模を誇る流派として、いけばなの指導にとどまらず、各種学校としても埼玉県の認可を受けているなど、その活動は多岐に渡っています。

指導内容：伝統と現代の融合

桂古流では、生花（流派内では「立活」と呼ばれる）、盛花、抛入、自由花、フラワーアレンジメント、立華など、幅広い技法を教授しています。古典的ないけばなの技術を重視しながらも、現代の感性を取り入れた自由な表現も奨励。初心者から経験者まで、それぞれのレベルに合わせた丁寧な指導を行っています。

歴代家元：伝統を受け継ぎ、未来へ繋ぐ

桂古流の伝統を支えてきた歴代家元は、それぞれの時代において流派の発展に大きく貢献してきました。

初代：養真斎白龍（藤原吉宣）
2代：真寿軒白鶴（鈴木惣治）
3代：溟鼓庵華叟（池與作）
4代：溟鼓庵華美枝（池美枝子）
5代：汲古庵華甫（星野長吉）
6代：汲雪庵華盛（新藤盛三）
7代：汲雪庵華慶（新藤義男）
8代：汲雪庵三枝（新藤三枝）
9代：二代目汲雪庵華盛（新藤浩司）

それぞれの家元は、独自の解釈と技法を取り入れながら、桂古流の伝統を継承し、発展させてきました。

参考文献

桂古流の技術や歴史を深く理解するためには、数々の書籍が役立ちます。

新藤華慶『いけばなの基本　桂古流』主婦の友社、1978年
新藤華盛『華盛の生花』主婦の友社、1983年
婦人画報社編『伝承生花　名流作品集』婦人画報社、1996年

これらの書籍を通して、桂古流の奥深さを知ることができます。

まとめ：未来へ繋がる伝統

長い歴史と伝統を誇る桂古流は、いけばなの魅力を現代に伝える重要な役割を担っています。古典的な技術を基礎としながらも、現代的な感性を融合させた指導は、多くの人々にいけばなの楽しさを伝えています。今後も、伝統を守りながら、新たな表現を生み出し続けることで、いけばなの世界をさらに豊かに彩っていくことでしょう。YouTubeチャンネルなども活用し、幅広い層への情報発信にも力を入れています。

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