桂宮

桂宮の歴史と概要

桂宮（かつらのみや）には、安土桃山時代に設立された天正桂宮と昭和に創設された昭和桂宮の2つがあります。本記事では、特に天正桂宮に焦点を当て、その歴史や系譜、重要な資産について詳しく解説します。

天正桂宮の創設

天正桂宮は、1589年（天正17年）に創立されました。この時期、明治時代まで継承されましたが、その後同家は断絶しました。当時の所領は平安京近郊の桂周辺に広がり、石高は3000石余りと、宮家の中でも最大規模を誇っていました。また、八条宮、常磐井宮、京極宮といった流れをくんでいます。

八条宮の系譜

八条宮は、正親町天皇の第一皇子である誠仁親王の六王子、智仁親王を祖とします。智仁親王は、もともと豊臣秀吉の猶子でしたが、秀吉の実子誕生に伴い独立し、秀吉から提供された土地で一家を設立しました。智仁親王は桂離宮という別邸を手掛け、その影響は大きかったとされます。

智仁親王からは智忠親王、穏仁親王、長仁親王、尚仁親王が系譜として続きました。特に尚仁親王は、その子孫をたどると常磐井宮につながります。

常磐井宮の変遷

常磐井宮は5代の尚仁親王が後継者を持たなかったため、霊元天皇の皇子である作宮が遺嫡し、新たに常磐井宮と改称しましたが、短命でした。作宮の兄である文仁親王が京極宮を名乗り、その後も系譜が続いていきました。

桂宮の成立

桂宮は光格天皇の皇子である盛仁親王が継承し、桂宮と改称しました。しかし、盛仁親王が亡くなると再び空主となり、その後仁孝天皇の子、節仁親王が引き継ぐも夭折してしまいました。その後、1862年に淑子内親王が継ぎましたが、1881年に薨去し、桂宮は断絶となりました。なお、智忠親王の弟である広幡忠幸が立ち上げた広幡家は今も存続していますが、宮家とは異なります。

芸術と文化遺産

桂宮直系の本邸は京都御苑内に位置し、現在でもその跡地が残っています。築地塀、表門、勅使門などが見られ、文化財として重要視されています。さらに、桂宮邸が孝明天皇の仮皇居として使われた歴史もあり、当時の庭園や池の跡も保存されています。

また、著名な別邸である桂離宮に加え、開田御茶屋や鷹峯御屋敷なども存在し、いずれも美しい庭園や建築が継承されています。特に桂離宮は多数の研究が行われており、その美しさと歴史的重要性が広く知られています。

菩提寺と系譜

桂宮家及び広幡家の菩提寺として、相国寺塔頭の慈照院が存在し、その中には桂宮関連の建物が多く残されています。このように桂宮の歴史や系譜を紐解くことで、縄張り領域における影響力や皇族としての役割が理解できます。

現代の桂宮

1988年には三笠宮崇仁親王の第二王子である宜仁親王によって昭和桂宮が創設され、同様の名称が使われています。新たな桂宮が行う活動は、古き良き伝統を受け継ぎつつも現代社会に対する適応を試みています。

こうした歴史と文化の背後にあるストーリーを知ることで、桂宮の存在価値をさらに深く理解することができるでしょう。

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