桂春団治 (3代目)

三代目 桂 春団治について

三代目桂春団治（かつら はるだんじ）は、1930年3月25日に大阪で生まれ、2016年1月9日に85歳で亡くなった日本の著名な落語家です。本名は河合一です。松竹芸能に所属し、上方落語協会では相談役を務め、第3代会長としても知られています。出囃子には『野崎』が用いられました。

来歴

襲名前の経歴

彼は、実父である2代目桂春団治のもとで育ち、義母の河本寿栄と共に生活しました。実母は早くに他界し、兄も早世したため、家族の中で長男として特別な扱いを受けていました。浪華商業学校（現：大阪体育大学浪商高等学校）では野球部に所属し、サラリーマンとして働いた後、自動車部品販売会社への就職を果たしますが、短期間で退職。その後、自宅で過ごしている時に父の九州巡業に同行し、荷物持ちとしての経験を積みました。この際に落語の「寄合酒」を覚え、急病の漫才師の代役として舞台に立つチャンスを得ます。

初めての舞台出演は非常に緊張したものでしたが、客の反応は良好でした。この経験から、彼は落語家としての道を志す決意を固め、1947年4月1日に「桂小春」名義で正式に入門しました。

その後、若手落語家として活動を開始し、1947年には落語新人会に参加。上方落語界は当時、若手が活躍する余地が少なくなっていましたが、彼を含む数名の若手は新しい風を吹き込む存在となります。1949年には、彼の父を説得し、関西演芸協会の設立に寄与しました。

1950年に2代目桂福団治を襲名し、同年には初代春団治の17回忌に合わせた襲名興行も行いました。1959年には3代目桂春団治として再び襲名し、名声を確立しました。

襲名後の活躍

春団治としての活動は豊かであり、1977年には上方落語協会の会長に就任。その後も数々の賞を受賞するなど、名実ともに上方落語界の重鎮として活躍しました。

1996年には芸能生活50周年を記念して特別なイベントを行い、さまざまな演目を披露しました。映画にも出演し、2007年には主演男優賞を受賞するなど、その活動は多岐にわたりました。

春団治の芸風は「繊細」「華麗」と形容され、彼の語り口は淡々としていながらも上品さを持っていました。特に、落語の導入部分である「枕」を用いずに本題に入るスタイルは彼の特徴の一つでした。晩年には若手噺家に対して厳しい critiquesを行い、落語のクオリティを重視していました。

急逝とその後

春団治は2016年に心不全により他界しましたが、没後も彼の功績や影響は存続し続けています。明るい性格で落語界を支えた春団治は、数多くの弟子を持ち、彼の名跡を受け継ぐ者もいます。弟子たちへの指導は厳しくも愛情にあふれたもので、彼が残した教えやスタイルは今も受け継がれています。

彼の奔放な人柄や華麗な舞台パフォーマンスは、多くの人々に楽しさを提供し、上方落語の発展に大きな影響を与えました。3代目桂春団治の落語は、今なお多くの人々の心に生き続けているのです。

もう一度検索