桂米團治 (5代目)

5代目 桂 米團治

5代目 桂 米團治（かつら よねだんじ、1958年12月20日 - ）は、日本の伝統的な芸能である落語の界で名を馳せる落語家です。大阪府南区に生まれ、本名は中川 明。彼は3代目 桂 米朝を父に持ち、落語の家系に生まれ育ちました。米團治は上方落語協会の副会長としても知られています。今日では、彼の名跡は「桂 米團治」として継承されており、出囃子には「三下り羯鼓」が使用されています。

幼少期と教育

米團治は、動物園に行った際に土遊びをし、父が彼のために砂場を作ったというエピソードがあるように、非常に自由な環境で育ちました。父の弟子たちから子守りをされ、彼らの影響で多様な価値観を吸収します。サッカーを通じて体を鍛える母の支えもあり、中学時代には音楽にも興味を持ち、クラシックに傾倒します。特に、モーツァルトの音楽に心惹かれ、将来的には音楽家になりたいとも考えていたようです。

大学入学後も、周囲からの影響で落語に挑戦しようとする意志が芽生えますが、父の反対もあり、ひとまず大学を卒業することに。大学時代には、落語の勉強だけでなく、古典芸能に関するサークルの活動にも積極的に参加しています。

入門と初舞台

1978年に父の弟子である桂米二からの後押しを受け、父に弟子入りの申し出をしますが、初めは断られます。しかし、その後の話し合いを経て、「一席だけ教える」という条件の下で弟子入りが認められます。この時点で彼は「桂小米朝」として舞台に立つことに。1983年には初舞台を踏んだものの、大学との両立は容易ではなかったといいます。

襲名を経て

兄弟子の桂吉朝が襲名の予定だった「米團治」を引き継ぐことになりましたが、これが2005年に突然の訃報により実現しませんでした。その後、2008年には正式に5代目 桂 米團治を襲名し、名実ともに上方落語界の中心的存在になります。彼の襲名披露興行では、全国各地を周り、多くの公演を行いました。

受賞歴と影響

米團治はその実力を認められ、数々の賞を受賞しています。また、彼の演技スタイルは、伝統に根ざしつつも新しい試みを取り入れたもので、特に「おぺらくご」といった独自のスタイルが評価されています。芸風の多様性と豊かな表現力で、彼は観客に感動を与え続けています。

プライベートと人柄

趣味としては古代史や国際経済、さらにはクラシック音楽に親しみ、特にモーツァルトへの敬愛を公言するなど、幅広い教養を持つ落語家です。また、プロ野球の阪神タイガースのファンであり、料理にもこだわりを持つ一面があります。これまでの人生の中で経験した失敗や成功が、彼の落語家としてのスタイルを育んでいるのです。

米團治は、伝統を大切にしながらも新しい挑戦を続け、「落語の未来を切り拓く存在」として活動しています。

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