桂米裕

桂米裕：落語家と僧侶の二足のわらじを履く異色の経歴

桂米裕さんは、1963年大阪府大阪市城東区生まれの落語家です。上方落語協会に所属し、米朝事務所に所属する桂米朝一門の芸名で活躍されています。しかし、彼の経歴は落語家としてだけでなく、僧侶としても非常にユニークなものです。高野山真言宗の僧侶であり、岡山県にある多聞寺と圀勝寺の住職も務めています。出家後は、吉田宥禪という名前で僧侶としての活動も行っています。

落語との出会いからプロへの道

米裕さんは、桃山学院大学在学中は落語研究会に所属し、落語に親しんでいました。同時に、寄席三味線も習得するなど、芸事への情熱を燃やしていました。大学を中退後、1984年に桂米朝に入門。当初は桂朝丸（現：桂ざこば）に入門を希望していましたが、朝丸さんの勧めで米朝に入門することになります。師匠である桂米朝さんからの指導を受けながら、落語家としての基礎をしっかりと築き上げました。

僧侶としての道

米裕さんが僧侶の道を歩むことになったきっかけは、結婚です。結婚を機に、妻の実家である寺院を継ぐことになり、1992年に高野山真言宗で出家しました。その後、高野山専修学院を卒業し、2002年には高野山真言宗の本山布教師に就任。落語家としての活動と並行して、本格的に僧侶としての活動も開始しました。

落語と僧侶の両立

落語家と僧侶、一見すると全く異なる二つの世界を両立させている米裕さんですが、その活動は非常にユニークです。落語の舞台では、軽妙な話術で観客を魅了します。一方で、僧侶としての経験を生かした「坊主漫談」と称する漫談も披露しています。この「坊主漫談」では、僧侶ならではの視点や経験に基づいた話で、観客に笑いと感動を与えています。

受賞歴とメディア出演

米裕さんは、1991年に「ABCお笑い新人グランプリ」優秀新人賞を受賞するなど、落語家としても高い評価を得ています。また、ラジオ番組への出演も多く、現在も「拝、ボーズ!!」（エフエムくらしき）などに出演中です。過去には「田中星児のクイズ探検隊」（瀬戸内海放送）、「何を描く僧 ほほえみ堂」（倉敷ケーブルテレビ）、「きくへんろ。」（エフエムくらしき）、「日本人のおなまえ」（NHK総合）など、様々な番組に出演し、幅広い層に知られています。

まとめ

桂米裕さんは、落語家と僧侶という二つの顔を持つ、他に類を見ない存在です。それぞれの活動において高い評価を得ており、そのユニークな経歴と活動は、多くの人々に刺激と感動を与え続けています。落語と仏教、一見すると対照的な二つの世界を融合させ、独自の境地を開拓し続ける彼の今後の活躍にも期待がかかります。彼の活動は、伝統芸能と現代社会の接点、そして異なる文化の共存の可能性を示唆していると言えるでしょう。これからも、落語家、そして僧侶としての活躍を通じて、多くの人々に笑顔と希望を届けてくれることでしょう。

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