桂花團治 (3代目)

三代目 桂 花團治

落語家である三代目 桂 花團治（かつら はなだんじ）は、1962年10月10日に大阪府豊中市で誕生しました。本名を森 隆久といい、落語家としては二代目 桂 春蝶に最後の弟子として入門しました。高座での出囃子には『井出の山吹』を使用しています。

略歴

1981年に大阪府立桜塚高等学校を卒業後、大阪芸術大学に進学しますが、翌1982年に大学を中退。同年10月に二代目桂春蝶の門を叩き、落語の世界に入りました。入門の同じ時期には、大阪シナリオ学校の上方芸能コースでも学び、その翌年には師匠である二代目春蝶の独演会にて初高座を踏んでいます。

実力は早くから認められ、1988年には毎日放送が主催する落語家新人コンクールで優勝を果たしました。1990年には、落語の源流に仏教があるという独自の視点から、仏陀生誕の地として知られるネパールでの公演を敢行するなど、海外へも活動の場を広げました。1994年には、作家陣と共に新作落語創作に取り組む集団「落語一番搾り」を結成するなど、意欲的に新たな試みを行いました。

長らく「桂蝶六」として活動していましたが、2014年には初代桂花團治の曾孫から名跡復活の意向が示されたことを受け、三代目桂花團治を襲名することを発表。翌2015年4月26日、池田市民文化会館で行われた第16回『いけだ・春団治まつり』公演をもって、正式に三代目桂花團治を襲名しました。

人物・逸話

桂花團治は、落語家としての顔だけでなく、狂言師「森五六九」としても活動しています。狂言は大蔵流狂言方の安東伸元に師事した経験を持ちます。また、教育者としての側面もあり、大阪青山大学、放送芸術学院、ECCアーティストカレッジ、大阪アニメーションスクールなどで非常勤講師を務め、時には講演会も行うなど、後進の育成や啓蒙活動にも熱心に取り組んでいます。さらに、1948年に大阪で誕生した歴史ある人形劇団クラルテの語り部も務めるなど、非常に多才な人物です。

前名である「蝶六」は、高校の落語研究会の先輩であり、後に四代目桂春團治（当時は桂春之助）となる人物が名付けたとされていますが、これといった深い理由はなく、なんとなく語呂が良いから、というのがその由来だそうです。桜塚高校の落研では、一年生が最初に稽古するネタが『明礬丁稚』と決められており、これは落研を創設したSF作家かんべむさしのすぐ次の代にあたる四代目春團治が、最初に師匠の三代目春團治から稽古をつけてもらったネタであることに由来します。四代目より後の世代は皆このネタから落語の稽古を始めており、四代目の14期後輩にあたる花團治も例外ではなく、高校時代に最初にこのネタを学びました。この短い噺を、噺家となった後も高座で演じ続けているとのことです。ちなみに、四代目の4期先輩にあたる笑福亭仁勇は、この『明礬丁稚』を演じていないといいます。

2015年6月21日に住吉区民センターで開催された「第40回ほろ酔い寄席」で行われた、新・三代目桂花團治お披露目の会での出来事は印象深いエピソードとして語られています。終演後、サプライズゲストとして花團治の大師匠にあたる三代目春團治が登場。出囃子「野崎」に乗ってスーツ姿で現れ、花束を贈呈しました。これは、翌年1月に逝去することになる三代目春團治が公の場に姿を見せた、大変貴重な機会となりました。

得意ネタ

得意とする演目としては、師匠である二代目春蝶から受け継いだ『猫の忠信』などが挙げられます。また、特定の作者によるものではなく、様々な噺家が独自の解釈で演じている機会の多い、『ぜんざい公社』や『昭和任侠伝』といったネタも手掛けています。自身の創作による新作落語では、『カレーなる一族』などが知られています。

出演番組

かつてはラジオ大阪の番組「OBCヤングラジオ」に出演していました。

公式サイト「蝶の花道～桂花團治公式サイト～」にて最新情報などを確認できます。

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