桃ヶ池公園

桃ヶ池公園の概要

桃ヶ池公園（ももがいけこうえん）は、大阪市阿倍野区桃ヶ池町1丁目に位置する自治体が設置した公園です。公園の面積は71,448平方メートルに及び、桃ヶ池とその周辺の遊歩道、児童遊園が整備されています。特に、春に咲くハナモモやサクラは多くの人々に愛されており、訪れる人々に美しい景観を提供しています。また、すぐ東側を走るJR阪和線の列車からも、この公園の風景を楽しむことができます。

歴史

桃ヶ池の名称は古くから使用されており、過去には「百ヶ池」や「脛ヶ池」、「股ヶ池」といった表記もありました。これらの名称の由来にはいくつかの説が存在し、池が複数あることに由来する説、池の形が股引のようであることからの説、また聖徳太子が水深が腿ほどの池で大蛇を退治した際の伝説などがあります。この地域は江戸時代には「百ヶ池」と呼ばれ、明治・大正時代には「股ヶ池」として知られていました。しかし、昭和8年に市の整備により「桃ヶ池」と名付けられ、その名称は現在まで続いています。

さらに、桃ヶ池はかつて猫間川の源流の一つとされ、古くからの農地として利用されていました。特に、近隣地域では養殖業が行われており、ウナギやナマズなどが名産品として知られていました。阿倍野区昭和町と阪南町は、都市計画に基づいた長屋建築が行われた地域であり、桃ヶ池地域にもその名残が残っています。そして、1933年に桃ヶ池公園として正式に開園されるに至ります。

股ヶ池明神と伝説

桃ヶ池には「股ヶ池明神」という神社もあり、ここには「聖徳太子が大蛇を退治した」という伝説が伝わっています。この伝説によると、大蛇の死体は池に埋葬され、その後も怪異が続いたため、霊を鎮めるために「おろち塚」が築かれました。このおろち塚の近くに設置された股ヶ池明神は、1780年代に建てられたもので、地域の住民によって大切にされています。

この神社は不動明王や地蔵菩薩、さらには聖徳太子と弘法大師も祀られており、神仏習合の様相を色濃く残しています。さらに、神社内部にはかつて滝行のような儀式が行われていたとされるエリアも存在します。神社自体は正式な神社本庁に属していませんが、地域住民によって大切に管理されています。また、この地域はNHKの連続テレビ小説『てっぱん』のロケ地としても知られています。

田辺古墳群

桃ヶ池公園周辺は古代から集落があったと考えられ、弥生時代の遺跡が発掘されることもあります。また、近隣には田辺古墳群も存在し、古文献にも多くの古墳が記されているほどです。この地域は旧石器時代から江戸時代まで多様な遺構が見られる歴史的な土地でもあります。

アクセス

アクセスは、JR阪和線の南田辺駅から北へ約500メートル、地下鉄御堂筋線の昭和町駅から東へ約500メートル、地下鉄谷町線の田辺駅から西へ約400メートル、そして近鉄南大阪線の北田辺駅から西へ約700メートルです。これらの交通手段を利用し、多くの人々が桃ヶ池公園を訪れています。

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