桃尻娘

桃尻娘（ももじりむすめ）

『桃尻娘』は、日本の小説家橋本治の青春小説シリーズおよび、これを基にした映画、テレビドラマシリーズです。この作品は、1977年に発表され、のちに第29回小説現代新人賞の佳作を受賞しました。橋本のデビュー作であるこの小説は、青春期の複雑な感情や成長を描くもので、特に女子高生の視点から語られています。

概要

物語の中心には、性に対して自由な気持ちを持つヒロインがいます。彼女は、高校生活から浪人を経て、早稲田大学に入学し、そのキャンパスライフを描いた内容となっています。橋本は、この作品を通じて、自身の文体を確立し、当時の少女向けマンガや少女雑誌の投稿文を参考にしたと語っています。この作品は、話し言葉を重視した形式で書かれており、出版されるとともに非常に話題を呼びました。

また、この小説は1978年に日活によって映画化され、特にロマンポルノのジャンルで成人向け映画として公開されました。映画は、実際の早稲田大学キャンパスを舞台にして撮影され、観る者にリアルさを提供しました。この映画シリーズは、全3作が制作され、女性のセクシュアリティをテーマにした内容が特徴的です。

書籍情報

『桃尻娘』は、以下のタイトルで複数の書籍が刊行されています。

• - 桃尻娘（1978年11月15日、講談社）
• - その後の仁義なき桃尻娘（1983年1月20日、講談社）
• - 帰って来た桃尻娘（1984年10月8日、講談社）
• - 無花果少年と瓜売小僧（1985年6月18日、講談社）
• - 無花果少年と桃尻娘（1988年2月26日、講談社）
• - 雨の温州蜜柑姫（1990年9月17日、講談社）

さらに、1997年には「橋本治小説集成」として刊行され、2010年にはポプラ文庫から復刊されました。

映画とテレビドラマ

映画化は1978年から1980年までの間に行われ、全3作が公開されました。最初の2作品は成人向け映画であり、第3作は一般向け映画として上映されています。これらの作品は、女子高生の成長と葛藤、さらには恋愛模様を描いています。

テレビドラマバージョンは1986年にフジテレビで放送され、全2作が制作されました。このドラマでは、多くの洋楽が使用され、その著作権の問題から動画配信やDVD化が実現されていないという特異な状況があります。

主要登場人物

物語には、榊原玲奈や田口裕子といったキャラクターが登場し、それぞれのエピソードを通じて物語が進展します。

まとめ

『桃尻娘』は、性の自由や青春の苦悩を描く重要な作品であり、世代を超えて多くの人々に影響を与えました。また、映画やドラマの形で、文化的な影響を持つ作品としても評価されています。これにより、橋本治の名は広まり、彼の作家人生において特別な位置を占めています。

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