桃山ビート・トライブ

天野純希の時代小説『桃山ビート・トライブ』は、集英社が主催する第20回小説すばる新人賞を受賞した注目作です。

物語の舞台は、為政者が目まぐるしく交代し、社会情勢が不安定だった安土桃山時代。

この激動の時代に、四人の若者が音楽と踊りの力で人々の心を掴んでいきます。主人公は、たまたま手にした三味線に夢中になる悪童・藤次郎。笛役者を目指して故郷を離れた青年・小平太。過去に奴隷であったが、太鼓に情熱を傾ける弥介。そして、生まれながらの才能を持つ踊り子・ちほ。出自や身分、境遇が全く異なる彼らは、出会い、独自の音楽ユニットを結成します。彼らの奏でる音楽は、当時の社会が抱える身分や権力による抑圧の中で生きる人々を解放し、熱狂の渦へと巻き込んでいくのです。これは、既成概念にとらわれない表現が、人々に希望と活力を与える戦国時代の青春群像劇と言えます。

この人気小説は、後に舞台化もされました。

舞台公演

小説を原作とする舞台は、過去二度上演されています。

もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ『桃山ビート・トライブ』
初演として、2017年11月23日から12月3日まで、東京のEX THEATER ROPPONGIにて上演されました。

『桃山ビート・トライブ〜再び、傾かん〜』
2019年には再演が行われました。同年6月14日から16日まで京都劇場、その後6月21日から7月1日までEX THEATER ROPPONGIにて上演。
この再演版では、初演から一部キャストに変更があり、特に小平太役は目黒蓮から原嘉孝に引き継がれています。

舞台スタッフ

原作：天野純希（集英社文庫刊）
脚本：金沢知樹
演出：大関真

舞台キャスト

2017年版

藤次郎：山本亮太（宇宙Six）
小平太：目黒蓮（宇宙Six）
ちほ：Elina
弥助：副島淳
豊臣秀次：山本匠馬
おみつ：新垣里沙
田中与兵衛：石井智也
呂宋助左衛門：寿里
暮松新九郎：井深克彦
吉岡主膳：武智健二
出雲のお国：星野真里
平信：冨岡健翔（MADE）
成太：奥谷知弘
林又一郎：北代高士
石田三成：佐野瑞樹
豊臣秀吉 / 三次：山崎樹範

2019年版

藤次郎：山本亮太（宇宙Six）
小平太：原嘉孝（宇宙Six）
ちほ：Elina
弥助：副島淳
平信：冨岡健翔（MADE）
成太：奥谷知弘
呂宋助左衛門：寿里
おみつ：久下恵美
豊臣秀吉 / 三次：本間剛
吉岡主膳：武智健二
田中与兵衛：石井智也
豊臣秀次：八神蓮
石田三成：佐野瑞樹
出雲のお国：星野真里
* 林又一郎：山崎樹範

小説から舞台へと展開された『桃山ビート・トライブ』は、音楽と踊りの力で時代を駆け抜ける若者たちの姿を描き、多くの読者・観客を魅了しています。

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