桐生かほる

桐生かほる：昭和のドラマを彩った女優

桐生かほる（きりゅう かほる、1951年4月24日 - ）は、昭和のテレビドラマや映画で活躍した日本の元女優です。群馬県太田市出身で、精華学園高等学校、女子美術短期大学卒業。

モデルから女優へ

中学時代に劇団ひまわりに入団し、芸能界への道を歩み始めます。1960年代前半から後半にかけては、『女学生の友』や『なかよし』といった雑誌でモデルを務め、多くの少女たちの憧れの的でした。同時に、映画に子役として出演し、演技経験を積みます。

『バンパイヤ』ヒロイン

桐生かほるが主演級の役を演じた作品として、水谷豊主演のテレビ映画『バンパイヤ』（1968年、全26話）が挙げられます。手塚治虫の原作では途中で退場するヒロイン・大西ミカを、テレビ版ではトッペイの恋人として最後まで演じきりました。この作品への出演を機に、女優としての知名度を高めます。

東宝入社とテレビドラマへの進出

高校在学中には、知人が内藤洋子主演の東宝映画『華麗なる闘い』（1969年）のオーディションに申し込んだことがきっかけで、自身も最終選考まで残ります。最終選考に残ったメンバーで「ファニー・セブン」として売り出され、同映画にも出演。その後、東宝に入社し、1970年に東宝テレビ部へ異動。テレビドラマを中心に活動するようになります。

個性派女優として

女子美術短期大学では彫刻を専攻していたという異色の経歴を持ちます。ドラマでは、お手伝いさんや店員役など、様々な役柄を演じました。1974年の紹介記事では「ムードがあり味のある役柄をやってみたい」と語り、1976年のドラマ『愛の償い』では、榊原るみ演じるヒロインを支える役柄を演じるにあたり、「子供っぽくみられるので、普段から話し方をゆっくりするなど落ち着いた雰囲気を心がけている」と述べています。

舞台への挑戦と引退

1976年には『喜劇役者』で初舞台を踏みましたが、1978年に惜しまれつつ芸能界を引退しました。

主な出演作品

映画
姿なき追跡者（1962年）
見上げてごらん夜の星を（1963年）
月曜日のユカ（1964年）
華麗なる闘い（1969年）
樺太1945年夏 氷雪の門（1974年）
テレビドラマ
バンパイヤ（1968年 - 1969年）
太陽にほえろ!
傷だらけの天使（1974年）
* 愛の償い（1976年）

カルピスのCMにも出演していました。

桐生かほるは、その愛らしいルックスと確かな演技力で、昭和のテレビドラマを彩った名女優として、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

もう一度検索