桑島潔

桑島 潔（くわしま きよし）

1931年生まれ。日本の都市計画および国土開発分野において、官僚として長年にわたりキャリアを築いた人物です。

経歴

桑島氏は、1954年に東京大学農学部農学科を卒業後、公職のキャリアを開始しました。最初に勤務したのは宮城県庁で、企画審議室にて地方行政の実務に触れました。その後、1957年には中央省庁へと活躍の場を移し、建設省計画局総合計画課に配属されます。

1973年には経済企画庁総合開発局総合開発課へ転任。さらに1974年には中部圏開発整備本部での勤務を経て、国土開発行政の中枢に深く関与するようになります。1976年時点では、国土庁の地方振興局東北開発局長という要職に就任しており、東北地方の広域的な開発計画や振興に重要な役割を果たしました。この東北開発への長期にわたる関与は、後の研究者らが彼の経験や知見に注目し、インタビューや座談といった形で記録に残される契機ともなっています。

国土庁地方都市整備課長を務めていた1979年には、当時の掛川市長、榛村純一氏からの招聘に応じ、静岡県掛川市の助役として地方自治体へ出向するという経験をしました。これは、中央省庁の幹部職員が地方自治体運営の現場に深く関わるという、当時の事例としても注目されるものでした。掛川市での勤務を終え国土庁に復帰した桑島氏は、さらに重要なポストを歴任します。1981年4月の時点では、国土庁長官官房審議官という高位の役職にあり、国土政策の企画・立案における中核的な役割を担っていました。

受賞

長年の功績が認められ、1986年には第9回日本公園緑地協会北村賞を受賞しています。これは公園緑地行政や関連分野で顕著な功績があった人物に贈られる栄誉ある賞です。

退官後の活動

国土庁を退官した後も、桑島氏はその豊富な知識と経験を活かし、国土開発や建設関連分野で活動を続けました。北海道開発コンサルタント株式会社では、顧問、取締役、常務取締役、そして専務取締役東京支店長といった役職を歴任し、民間企業の立場から国土開発事業に関わりました。また、2006年および2011年時点では、国土計画協会の顧問を務めており、シンクタンクや研究機関を通じて国土計画分野への貢献を続けました。

著作

共著書として『地域計画ハンドブック』（朝倉書店、1998年）があります。これは、彼の実務経験や専門的知見が反映された著作と考えられます。

桑島潔氏は、中央省庁、地方自治体、そして民間企業という多様な立場から、日本の国土計画と地域開発に深く関与し、その発展に寄与したキャリアの持ち主と言えるでしょう。

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