桑島甫

桑島 甫（くわじま はじめ）

桑島甫は1918年5月9日、香川県に生まれたプロ野球選手で、ポジションは三塁手でした。彼の野球人生は短いものでしたが、プロリーグへの足跡を残しています。

学生時代の軌跡

桑島は高松商業高校を経て、慶應義塾大学に進学しました。大学では野球部に所属し、将来のプロ選手としての基礎を築きました。彼の野球の才能は早くから認められ、大学時代には多くの期待を集めていました。

プロ入りと阪急軍

1941年、桑島は阪急軍に入団しました。当時、阪急には名手黒田健吾が三塁手として活躍しており、桑島はその背中を追う形となりました。黒田は守備に優れた選手であり、主将としてチームを引っ張っていました。その影響もあり、桑島は出場機会が著しく限られてしまいました。実際、桑島が試合に出場できたのは6試合のみであり、そのシーズンでの成績は目を見張るものではありませんでした。

この年の彼の背番号は18で、プロとしてのキャリアは短命に終わりました。出場機会の少なさにより、彼は同年限りで野球の道を歩むことを諦め、引退する決断を下しました。

戦争とその後

プロ選手として成功を収められなかった桑島でしたが、彼の人生はその後、全く異なる方向へ進んでいきます。1944年、桑島は応召され、インパール作戦に従軍しました。この作戦は日本軍にとっても厳しい戦いであり、多くの兵士が命を落としました。桑島もその一人で、彼の戦死は当時の27歳という若さでした。正確な死亡日については不明ですが、彼の戦いへの献身は多くの人々に知られることとなりました。

思い出としての碑

現在、東京ドームの敷地内には桑島甫を追悼する鎮魂の碑が設置されています。この碑には彼の名前が刻まれており、野球ファンや訪れる人々に彼の存在を思い起こさせています。桑島の名は、プロ野球だけでなく、戦争という大きな歴史の中でも語り継がれています。

彼の短い野球人生と、その後の戦争での命の終焉は、今後も多くの人々の心に残るでしょう。桑島甫が歩んだ道は決して忘れられることはなく、彼の記憶は興味深い歴史の一部として、語り継がれることになると思われます。

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