桑野川

桑野川の概要

桑野川（くわのがわ）は、徳島県阿南市を流れる一級河川で、那賀川水系に属する支流です。この川は新野町の矢筈山北麓に源を発し、流域は新野町から桑野町を経て富岡水門で那賀川に合流します。桑野川は主に北西から北東の方向へ流れており、周辺地域の自然を豊かに感じさせる風景を形成しています。

地理と流れ

桑野川は、新野町と那賀町の境に位置する新野町の山間部に源を持ち、流れ出すと今度は北西方向に進み、新野町から桑野町を通って流れていきます。流域内には、川に流入する数本の支流も存在します。主な支流としては、廿枝川（新野町で合流）、北谷川（山口町で合流）、蛭地川（桑野町で合流）、大津田川（長生町で合流）、岡川（宝田町で合流）などが挙げられます。これらの支流が桑野川の流域をより豊かにし、水系全体の生態系に貢献しています。

流域の特徴

桑野川が流れる地域には、いくつかの自然豊かな景勝地が点在しています。例えば、鍛治ヶ峰（228m）や津乃峰山（284m）は、ハイキングや観光に適したスポットとして、多くの訪問者を引き寄せています。これらの山々は、四季折々の美しい風景を楽しむことができるため、地域の自然愛好家に特に人気です。また、桑野川に接する観光スポットには、四国八十八箇所の第22番札所である平等寺もあり、信仰や歴史を感じることができる貴重な場所です。

交通とアクセス

流域には、徳島県道24号羽ノ浦福井線や徳島県道35号阿南相生線が流れるなど、交通網も整備されており、アクセスの利便性が高いです。これにより、観光地へのアクセスが良好で、多くの訪問者が自然や歴史に触れる機会を得ることができます。

歴史

桑野川の歴史を語る上で避けて通れないのが、1999年6月29日に発生した豪雨災害、通称「6.29豪雨」です。この日、梅雨前線の影響により記録的な降雨を観測し、川が氾濫しました。結果として48棟が床上浸水し、194棟が床下浸水。浸水面積は215ヘクタールに及び、多くの人々の生活に影響を与えました。災害の復旧対応として、国土交通省と徳島県が連携し、桑野川の復旧等緊急事業に乗り出しました。さらに、2002年には床上浸水対策特別緊急事業にも取り組むなど、地域の安全確保に向けた努力が続けられています。

桑野川はその美しさと人々の生活に寄与する水源であり続けると同時に、歴史的な災害の教訓を活かした取り組みがなされている重要な地域です。

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