桜三里

桜三里（さくらさんり）

桜三里は、愛媛県東温市から西条市にかけて伸びる金毘羅街道の一部で、古くから多くの人々に親しまれてきた峠道です。この地方では、桜の名所として広く知られており、毎年春になると見事な桜の風景を楽しむことができます。桜の木々が立ち並ぶこのエリアは、環境保護や地域の保存活動によって美しさを取り戻してきました。

桜三里の名前の由来には、いくつかの伝説が存在します。まず一つは、700年以上前に源氏に追われた平家の残党、樫原源太季秋がこの地に隠れ住んだことから始まると言われています。彼は平家の再興を切に願い、毎年桜を植え続けたというエピソードがこの地に根付いています。

もう一つの由来は、江戸時代に松山藩士の矢野五郎右衛門源太が、桜の名所としてこの道を有名にすることを目指し、囚人を使って桜の木を植えさせたという話です。彼の努力により、現在もこの地には桜が咲き誇っています。

しかし、時が経つにつれて、千原鉱山の煙害や国道11号の整備、更には自動車の排気ガスなどによる環境の変化が影響し、桜の木は減少の一途をたどりました。それでも、地元の人々の精力的な保存活動のおかげで、桜の木々は再生を遂げ、春になると見事な花を咲かせるようになりました。特に国道11号沿いでは、満開の桜が見る者を魅了しています。

また、1994年には松山自動車道が開通し、その北側には『新桜三里』という名称が付けられました。新桜三里には、桜三里パーキングエリアも設けられ、訪れる人々にとっての休憩スポットとして機能しています。このエリアからは、桜の美しさを眺めることができ、訪問者にとっての貴重な体験となることでしょう。地元の人々は、春の訪れを迎えるこの峠道の桜を大事に育て、後世に伝えようとしています。

桜三里は、その豊かな歴史と風景だけでなく、地域の人々の絆を象徴する場所でもあります。春になると、多くの人がこの地を訪れ、歴史と自然の美しさを共に楽しみます。桜の花が咲き誇る中での散策は、日常から離れ、心洗われるひとときを提供してくれるでしょう。

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