桜井秀

桜井 秀（さくらい しげる）の業績

桜井秀は、1885年に東京で生まれ、1942年に亡くなった日本の風俗史家です。国学院大学を卒業した彼は、1906年に関保之助や宮本勢助らと共に風俗史の研究会を立ち上げ、風俗史の学問的基盤を築くために努力しました。　

彼は1928年に京都帝国大学より文学博士の学位を取得し、研究成果を続々と発表し続けました。東京帝国大学の史料編纂所に勤務し、宮内省図書寮の御用掛としても活動しました。また、日本女子大学でも教鞭を執り、多くの学生にその知識を伝えました。桜井は「俗信」という用語を初めて使用した研究者の一人とされ、風俗的な信念や習慣についての理解を深めることに貢献しました。

著書

桜井秀は多くの著作を残しており、彼の著書は日本の風俗や文化を理解するための重要な資料となっています。主な著作は以下の通りです。

• - 『即位大嘗典礼史要』（博育堂、1915年）: 日本の即位式に関する重要な研究。即位の儀式がいかにして形作られてきたのかを解説。
• - 『日本服飾史』（雄山閣、1924年）: 日本の服飾の歴史を網羅的に整理した作品で、衣服が社会や文化に与えた影響を考察。
• - 『総合日本史体系 第4巻　平安朝 下』（内外書籍及び国書刊行会、1926年）: 平安時代の社会や文化の状況を分析し、日本の歴史全体を理解する手助けとなる書。
• - 『風俗史の研究』（宝文館、1929年）: 日本の風俗に関する詳細な研究で、風俗の変遷を時代ごとに考察。
• - 『時代と風俗』（宝文館、1931年）: 時代背景と風俗の関係性を探る書で、風俗がどのように社会と相互作用しているかについて考察。
• - 『日本食物史』（足立勇との共著、雄山閣、1934年）: 日本における食文化の発展を時系列で整理し、食の変化とその社会的背景を解説。
• - 『日本風俗史概説 生活史篇』（明治書院、1950年）: 日本の生活慣習の歴史を概観したもので、伝統的な日本の生活スタイルを網羅。
• - 『微風呼ぶ街 歌集』（桜井つね共著、歌帖社、1968年）: 桜井の文学的な側面が表現された歌集。

桜井秀の研究は、日本の風俗や文化、食生活などの理解において非常に重要であり、彼の著作は今なお多くの研究者や学生に利用されています。彼は、風俗史という分野を深く探求し、より多くの人々にその重要性を伝えるための努力を惜しまなかった人物です。

このように、桜井秀は日本の歴史研究において欠かせない存在であり、その影響は今も色あせることがありません。彼が残した膨大な研究成果は、学問の発展に寄与し続けています。

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