桜井英治

桜井英治は、1961年11月生まれ、茨城県出身の歴史学者であり、現在は東京大学教授として教鞭を執っています。専門は日本中世史、特に流通経済史です。

学歴と職歴

桜井氏は、1980年3月に茨城県立水戸第一高等学校を卒業後、1984年3月に東京大学文学部考古学科を卒業しました。その後、1989年3月に東京大学大学院人文科学研究科博士課程を単位取得退学しています。同年4月には北海道大学大学院文学研究科助[[教授]]に就任し、研究者としてのキャリアをスタートさせました。1997年には、「日本中世の経済構造」で博士（文学）の学位を取得しています。2006年に東京大学大学院総合文化研究科助[[教授]]、2007年には准[[教授]]を経て、2012年10月より現職である東京大学大学院総合文化研究科教授を務めています。

研究分野と業績

学部時代には中世の手工業者に関心を持ち考古学を専攻しましたが、大学院に進学してからは歴史学の立場から研究を行うようになりました。大学院では石井進に師事し、教養学部の勝俣鎮夫からも大きな影響を受けました。網野善彦の歴史学を批判的に受け継ぎ、中世の職人などの非農業民や中世流通経済の研究に力を入れています。

2012年には、『贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ』で第10回角川財団学芸賞を受賞しています。この著作は、儀礼と経済という二つの側面から贈与の歴史を考察したもので、桜井氏の研究の幅広さを示すものです。

著書

桜井氏は、数多くの著書を執筆しています。主な単著としては、『日本中世の経済構造』（岩波書店、1996年）、『日本の歴史12 室町人の精神』（講談社、2001年、講談社学術文庫、2009年）、『日本史リブレット27 破産者たちの中世』（山川出版社、2005年）、『贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ』（中公新書、2011年）、『交換・権力・文化 ひとつの日本中世社会論』（みすず書房、2017年）などがあります。これらの著書は、日本中世史研究における重要な貢献となっています。

また、編著として『国立歴史民俗博物館研究報告92集　古代・中世の都市をめぐる流通と消費』（国立歴史民俗博物館、2002年）、『国立歴史民俗博物館研究報告113集　古代・中世における流通・消費とその場』（国立歴史民俗博物館、2004年）があります。さらに、中西聡との共編で『新体系日本史12　流通経済史』（山川出版社、2002年）も手がけています。

桜井英治の研究は、日本中世史、特に流通経済史の分野において、多大な影響を与え続けています。

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