角川財団学芸賞

角川財団学芸賞について

角川財団学芸賞は、公益財団法人角川文化振興財団が主催する学術賞であり、2003年に創設されました。この賞は、角川グループにおける学術賞として、角川源義賞と並んで設けられたものです。

概要

角川財団学芸賞は、日本の文芸や文化に関わる、あるいはそれらを広範かつ多義的にテーマとする諸分野における優れた個人著作に対して贈られます。受賞者には、副賞として100万円が授与されます。

選考委員

選考委員は、その時代を代表する知識人が務めてきました。選考委員の構成は時代によって変遷しており、以下にその変遷をまとめます。

第1回 - 第10回: 山折哲雄、鹿島茂、姜尚中、福原義春
第11回: 山折哲雄、鹿島茂、松岡正剛、福原義春
第12回 - 第15回: 山折哲雄、鹿島茂、松岡正剛、佐藤優
第16回 - : 大澤真幸、鹿島茂、佐藤優、松岡正剛

(2021年時点)

受賞作品

過去の受賞作品からは、時代を反映した多様なテーマが扱われていることが分かります。以下に、各回の受賞作品を列挙します。

第1回（2003年）:
三浦佑之『口語訳 古事記』
（奨励賞）宮脇真彦『芭蕉の方法』
第2回（2004年）: 瀧井一博『文明史のなかの明治憲法』
第3回（2005年）: 佐伯真一『戦場の精神史-武士道という幻影』
第4回（2006年）: 三枝昂之『昭和短歌の精神史』
第5回（2007年）: 大塚英志『「捨て子」たちの民俗学―小泉八雲と柳田国男』
第6回（2008年）:
黒岩比佐子『編集者 国木田独歩の時代』
太田素子『子宝と子返し―近世農村の家族生活と子育て』
第7回（2009年）: 上野誠『魂の古代学―問いつづける折口信夫』
第8回（2010年）: 小熊英二『1968』（上・下）
第9回（2011年）: 金文京『漢文と東アジア－訓読の文化圏』
第10回（2012年）: 桜井英治『贈与の歴史学－儀礼と経済のあいだ』
第11回（2013年）: 斎藤環『世界が土曜の夜の夢なら―ヤンキーと精神分析』
第12回（2014年）:
呉座勇一『戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか』
白井聡『永続敗戦論―戦後日本の核心』
第13回（2015年）: 安藤礼二『折口信夫』
第14回（2016年）: 山本聡美『九相図をよむ―朽ちてゆく死体の美術史』
第15回（2017年）: 松居竜五『南方熊楠―複眼の学問構想』
第16回（2018年）: 若松英輔『小林秀雄 美しい花』
第17回（2019年）: 野崎歓『水の匂いがするようだ─井伏鱒二のほうへ』
第18回（2020年）: 今福龍太『宮沢賢治 デクノボーの叡知』
第19回（2021年）: 該当作なし
第20回（2022年）: 休止

近年の動向

2022年には、角川源義賞・城山三郎賞と併せて、選考が休止されました。この情報は、角川文化振興財団の公式サイトで公表されています。

外部リンク

* 公益財団法人角川文化振興財団

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