桜山 (群馬県)

桜山：群馬の冬桜と紅葉の名所

群馬県藤岡市に位置する桜山（標高591m）は、春と冬の両シーズンで美しい景観を楽しめる人気の観光スポットです。山頂付近には、群馬県立桜山森林公園と藤岡市桜山公園が一体となり、広大な桜山公園として整備されています。国指定の名勝及び天然記念物にも指定されており、日本さくら名所100選にも選ばれている名所です。

春の桜と秋の紅葉、そして冬の冬桜

桜山公園の主役は、何と言っても桜です。春にはソメイヨシノが咲き誇り、園内をピンク色に染めます。しかし、桜山公園を特に有名にしているのは、冬桜です。11月末から12月初旬にかけて、他の桜とは異なり冬に開花する冬桜が見頃を迎えます。この冬桜は、紅葉と同時に楽しめるという、他ではなかなか見られない珍しい景色を作り出します。

約47ヘクタールに及ぶ広大な公園内には、約7000本の冬桜が植栽されています。しかし、天然記念物指定範囲内の冬桜は樹勢の衰退が問題となっており、学術調査が行われています。かつて400本以上あった冬桜は、近年は減少傾向にあり、その保全が課題となっています。

公園の施設とアクセス

桜山公園には、管理棟、あずまや、日本庭園、見本庭園、芝生広場などの施設が整っています。園内は、第1の広場（日本庭園）、第2の広場（見本庭園）、第3の広場（イベント広場）の3つのエリアに分かれており、それぞれ散策を楽しむことができます。

アクセスは、第一駐車場から山頂までは約35分の遊歩道、中腹の道を通れば約20分で山頂に到着できます。その他にも、展望台への遊歩道や、ロウバイ園を経由するルートなど、様々なコースが用意されています。

ハイキングコースも整備されており、鬼石や八塩など周辺地域からのアクセスも可能です。鬼石・桜山ルート、八塩・桜山ルート、大沢ルート、久々沢ルート、大奈良ルートなど、複数のコースがあり、体力に合わせて選ぶことができます。これらのコースは、片道で5km～9km程度の距離があります。

歴史と伝説

桜山は古くから虚空蔵山と呼ばれていましたが、日露戦争の戦勝記念として、1908年（明治41年）、地元住民の手によって桜とカエデの植樹が行われました。植樹された桜の一部が冬に開花するようになり、それが現在の冬桜の始まりです。

1937年（昭和12年）には国の名勝及び天然記念物に指定され、1947年（昭和22年）には上毛かるたにも登場するなど、地域住民に深く愛されてきました。1973年（昭和48年）の山火事により多くの冬桜が消失した際には、地域住民による復興事業が行われ、現在の美しい景観が保たれています。

周辺情報

桜山の麓にはみかん園、中腹にはりんご園があり、フルーツ狩りを楽しむこともできます。また、桜山公園周辺には八塩温泉などの観光資源も存在し、桜山観光と合わせて楽しむことができます。

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